第43話 その後

43


高速で敵が迫って来る。俺は火炎剣を解除して、両手を前に出した。


火炎爆裂エクスプロージョン!!!」


至近距離で魔法を発動した結果、自分の目の前で大爆発を引き起こされた。


「ちょまって、やらかしたァァァ!」


一気に視野が炎で埋め尽くされ、身体中が焼けるような熱さに包まれた。


「ユウキ、大丈夫なの!?」


さっきの女性の声が聞こえた。だが、自爆によってかなりダメージを受けたせいで、意識が朦朧とする。


「くっ......やったか?」


爆炎が晴れ、視界が回復したが、そこにはやや黒焦げになった男が毅然と立っていた。


「お前すげぇな。今のはかなり効いたぜ。」


ば、化け物だ......。ゼロ距離でこのAランク魔法を喰らってもまだピンピンしている。


『......HP 大幅に減少 意識レベル 低下』


ヤバい、立ってられない。フラフラする。


「ユウキ、大丈夫なの!?」


「おい、生きてるか!?」


そのまま地面に倒れてしまった。そして視野が段々薄れていく。


『......生命維持に支障発......体内の魔力循環を調整し......』


俺、このまま死ぬのか......。でもまあ、いい人生だった。END


って終わらねぇよ!!!


★★★


「ううん、ここはどこだ?」


目が覚めた。首を起こして辺りを見渡してみる。どこかの建物の一室のようだ。


『鑑定より マスターの意識の回復を確認』


「うわびっくりした。鑑定、お前かよ。てか俺生きてる。良かったぁ〜。」


ガチ死んだかと思ったが、どうにも生きてるらしい。とりあえず安堵。


そして俺はベットに寝かされている。ここはギルドの施設か何かなのだろうか。


起き上がろうと身体を動かすが、全身の皮膚から痛みが走る。


「まだ動いちゃダメよ。かなり重体だったんだから。」


「ん......。さっきの人!」


試験で共闘した女性の人だ。名前は確か......


「クレアよ。助けてあげたんだから、感謝しなさい。」


「ああ、あなたが助けてくれたんですか。ありがとうこざいます。」


右のテーブルになんか瓶とかなんやらが置かれている。


「最近、誰かが大量に薬草を持ち込んだせいでポーションが余ってるらしいの。だれかは分からないけど。あと、回復魔法を使ったわ。大変だったんだから。」


うわぁ、完全に俺だわ。


「回復魔法使えるのか?すごいな。」


「そうよ。私は三属性持ちの魔術師だから、その辺の魔術師とは格が違うわ。」


回復魔法……!使いたい!


「まあ、色々とすいません。あと、あれからどれくらい経ったんですか?」


すると彼女ははぁと息をこぼして、


「一日寝てたわよ。今は翌日。」


「めっちゃ寝てたやん俺!」


クレアが窓のカーテン開けた。すると、眩しい光が差し込んで来る。


「あとこれ。渡しとくわ。」


窓辺から投げられたカードのような物をキャッチする。それを見て驚いた。


「これ、冒険者カード!負けたんじゃ無かったの?」


するとクレアは笑みを浮かべて、


「あなたが自爆してくれたお陰で、ダメージを与えられたでしょ?それで良かったみたい。」


まあ良かった。これで俺も冒険者だ!!!

────────────────────この作品は終わりませんが作者の夏休みは今日で死亡しました。書き溜めがあるのでしばらくは毎日投稿します。(多分)

あと終わり方がさっぱりしないのはあれです。すまんな。


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