第2章 異世界生活の始まり!編
第34話 シェルの街へ
「俺たちの異世界ライフはここからだ!とは言ったものの、どうやって街に入ればいいのだろうか。」
丘から遠くの門を見てみると、銀色の鎧を纏った兵士が数人いる。
そこで馬車や人々の税関をしているようだ。
「そのまま突っ切るのもマズいよなぁ。」
俺は異世界で自由に生きたい!!!はずなのに街の税関で怪しい者と捕らえられたらたまったもんじゃない。
それにスライム。この街って、魔物持ち込みOKなのだろうか。
『......鑑定より。前に騎士団長と思われる者が言っていた通り、先に冒険者登録を済ませるのはどうですか?』
冒険者登録!!!それだ!
その言葉を聞いて記憶がフラッシュバックする。あれは出発の1日前の出来事〜。
──回想──
「ユウキ殿。シェルの街は城塞都市ですから、国民証や身分証が無ければ入る事すら敵わない。」
「それに貴方は異国人だ。私の力で勝手に国民登録をした所ですぐにバレてしまう。」
確かに。勝手によその国から人来たら困るもんな。
「なら、どうすれば良いんですか?」
「冒険者登録をするのだ。冒険者となった者は冒険者カードを与えられる。それがあれば、世界のあらゆる場所へ行ける。」
冒険者!かっこいい!
「なるほど。それって、どこで登録出来るんですか?」
「この王都アトリでも出来る。冒険者は実力のある者しかなれないが、今のユウキ殿ならば確実に試験を突破できるぞ。」
冒険......楽しそう。
「だから今日中に冒険者登録を済まし、明日の遠征に備えるのだ。訓練の後で辛いと思うが、努力を怠らず精進するように。」
「分かりました!今日中に行きます。」
「うむ。期待しておるぞ。そして、今後の無事を願う。」
俺は「ありがとうございます」と深く礼をした。
まあ他にも色々あったが、その日の訓練は終わったのである。
俺はその後、一旦自分の部屋に帰って休憩し、作戦を練ろうと考えた。
「うーむ。問題は、どうやって王都に出るかだな。」
王都......。怖くね!?
普通に考えて、知らない世界の馬鹿でかい街に1人で行くとか、超怖いんだけど?
陰キャの俺には敷居が高すぎる。あと、道が分からない。
ぜレスさんが地図と登録用の銀貨をくれたんだけど、正直この通りに行けるかどうか不明だ。
「ふぅ......。まあいっか。今日は魔力切れだし、無事に街に辿り着けるかも分からなんだし。」
「街に着いたら、どう入るか考えればいっか!よし、寝よう!!!!!」
──回想終わり──
「過去の俺!何してんねん!」
『滑稽ですね。マスターの性格がよく分かったような気がします。』
「あぁん?何だと?」
『短絡てk......いえ、誠実な人間ですよ。』
「ふむ。よろしい。」
......って、そんな事はいい。問題は、この門をどうくぐり抜けるかだ。
「......ん!はい閃いた!ここで冒険者登録すれば良いじゃん!」
『鑑定結果......ギルドはシェル市内にあります。』
「まじかよ終わったぁぁぁ。」
あと腹減ったんだよなぁ。1日何も食べてない......いや、薬草食べたわ。
ってそんな事はどうでもいい!こういう所だぞ!俺、しっかりしろ!
だが大丈夫。俺には伝説のハズレスキルがあるのだから。
「【鑑定】!この窮地を脱する方法は???」
『鑑定結果......荷馬車に隠れて侵入しましょう。』
「......はぁ?いやなんか、もっとすごいのは?」
『無いです。』
「壁を登るとかは?」
『無理です。』
「まじかよ終わったぁぁぁ(2回目)。」
『それか面と向かって門に行ってみては?自分が勇者であるという事を明かせば、便宜をはかってくれるかもしれません。』
「無理だよ。俺にそんなコミュ力ある訳ねぇだろ。」
『これは失礼。陰キャマス......。』
そう鑑定の声が聞こえた時だった。
「キャァァア!」
はるか後ろの森の方から、ほんのわずかに甲高い悲鳴が聞こえてきたのである。
「鑑定、聞こえた!?」
『はい。後方274メートル、カディアの森の出口付近に音源を探知。』
これは、行くしかないでしょ!
「もしかしたら、助けたお陰で街に入れるかも知れないし。」
『なるほど。マスターは時々頭が冴えますね。状況からして、人族が魔物に襲われているのだと思われず。』
「よし、とりま行くか!」
やっとシェルの街に着いたのに、逆戻りして森に入って行く。
「これが俗に言うテンプレ展開......!ついに俺にも無双のチャンスが......?」
『つべこべ言わず、早く向かってください。』
「了解だ!」
────────────────────テンプレ展開ごめんね
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