【1章完】　救世の使命は、忘却のカナタ　～記憶喪失だけど異世界救えって女神様が～

「この世界に来た時、女神様に出会ってさ。魔王からこの世を救ってくれ！って頼まれたんだよ。」
「それって…新手の詐欺じゃなくて？」
「…それっぽいけどさ。」

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東より現れた〈魔王〉とその〈尖兵〉達の侵攻を受けて、人類は緩やかな滅亡へと向かっていた。

滅びゆく世界を、勇者一行が仲間たちの犠牲をもって救ったのが、今から約250年前。

過去の悲劇や、脅威を、人々が忘れてしまうほどの時が経ち、この世界には平穏な日々が続いていた。

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　そんな平和な世界に、武器なんて使えない、魔術もダメ、知識どころか自分の名前も分からないまま、見知らぬ世界に放り出された少年カナタ。

　覚えているのは女神からの使命と、彼女から受けた強烈なビンタだけ。

「なんか別に、使命を守らな…続きを読む