違和感2
「お、おい!まて。はあはあ」
あれから俺はやっと委員長を捕まえることが出来た。
それから程なくして織音がこちらに駆け寄ってくる。
「...な、なに」
委員長は微かに手を震わせながらそう呟いた。
「何って話したいことがあったから」
いくらぶっ壊れている俺とは言えども今の状況が良くない事は知っている。
「いや、ごめんね。用事があるから」
委員長は声を震わせながら踵を翻した。
「ま、待て。頼む」
俺は委員長の驚く程に細い腕を握り締める。
「離してよ!離してよ!」
「...私が光希に近づいたら...光希が不幸になるんだよ?」
「安心しろ俺が幸福だった瞬間なんて生まれてこの方ない」
こちとら泣く子も黙る鬼畜なぼっちである。
なんて生産性のない水かけ論争を交わしていると織音が深いタメ息を吐きながら俺らの中に割って入ってきた。
「...はあ。要するに悲劇のヒロインごっこですか?」
織音は俺のシャツテールを握ってきた。
その手は微かに震えている。
「...どういうことよ」
「そのままの意味ですよ。自分は傷つけるだけ傷つけておいて、逃げてるだけじゃないですか?傷つく云々の話もただの詭弁にしかきこえませんよ?」
「...確かにそうね。だからこそ私みたいな女絶対に離れた方が良いでしょ。これだけは本心よ。もう傷ついてほしくないの」
緊迫した空気が流れる。
「それ、本心ですか?本当は自分が可愛くて仕方ないんじゃないですか?ねえ」
「...だから違うって言ってるでしょ」
「信じるに値する根拠がないんですが?」
「...どうすれば良いのよ」
また織音が深いタメ息を吐いた。
「先輩ともう一度話すんですよ」
「...」
「あれ?まさか逃げるんですか?それとも先輩に女の影が見えたからもう興味が失くなっちゃったとか?」
「...それはない!」
委員長は声をあらげ織音をぎろりと睨んでいる。
際ほど前から何か声を掛けようと思ったが俺は何を言えば良いか分からなかった。
「なら証明してくださいよ」
こうして俺と委員長は二人で再度話し合うことになった。
これから復讐が始まる。
でもどうしてだろう。
俺は再び何か違和感を感じていた。
それはいつもとは少し違う。
俺はよくわからない感情にかられながら委員長と共に例の公園へと向かうのだった。
長くなりましたが次回かその次で第2章完結します~
これからも毎日投稿を続けていく予定なので、ブックマークやコメントなどしてくださると嬉しいです。
第3章も引き続きよろしくお願いしますね(*≧ω≦)
それではおやすみなさい!
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