内田家

「大きくなったね...!」

 内田家につくなり、おじさんに抱きつかれた。

「お、おじさんも大人の男性って感じですね」

「お世辞まで言えるようになって~!」

 おじさんの平均よりは小さいものの、大きくそしてゴツゴツとしていて、ほんの微かに母の香りがする気がした。

 実の父にボコボコにされ血生臭い俺とは大違いだ。

「こら~!内田くん、光希くん困ってるでしょ?ねえ?」

 おじさんの奥さんだろうか?

 おじさんと同じ20代後半くらいの綺麗な女性がエプロン姿でこちらへ来た。

「光希くん、始めましてーおじさんの妻の内田 花憐と申します」

「あっ、初めまして甥の西上 光希とと申します」

「うん、よろしくね~」

 おじさんと花憐さんは深夜にいきなり押し掛けて来たというのに、笑顔で出迎えてくれた。

「でも、久しぶりだね~あっ、そうだ?昔の写真あるんだよ!」

「写真とっておいてくれてありがとうございます」

「こら、あなたダメよ~光希くんも困ってるでしょ?もう、深夜なんだから、そういうのは明日~」

「あ~、ごめんね光希くん。深夜テンションでつい」

 おじさんは少し恥ずかしそうにしながら俺から離れていった。

「いえいえ。こっちこそ急に来てしまってすみません」

「全然大丈夫よ~!ねえ?」

「うん!むしろ、ウェルカムって感じ」

「本当にありがとうございます...あと、少し相談があるんですけど良いですか...?」

 俺がこの家に来たのは昔を懐かしみに来たのでも、逃げて来たわけでもない。

 俺があの家に居ても出来る事といったら、

 暴力や暴言で一時的に父と義母を大人しくさせることだけだ。

 いつか、ほとぼりが冷めたら、はたまた隠れてまた今回のようなことが起きるかもしれない。

 それを解決するにはどうすればいいか。

 答えは簡単である。

 社会的地位のある者の介入である。

 児童相談所に相談するでも、両親を諭し罪を償わせるにしても明らかにおじさん達の介入あるなしでは効果に差がある。

 それに出来ることも圧倒的に増えるだろう。

「実は...」

 こうして俺は事の顛末をおじさん達に打ち明けたのだった。



 作者から~

 文字数少なくなってすみません~



 新作→『失恋したらバイト先の美人な先輩に慰められて修羅場になるラブコメ』

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