内田家と憤り

「...辛かったな」

 おじさんはてっきり怒るかと思ったが、怒ることなくどこか悲しげな表情を浮かべた。

 花憐さんも同様だった。

「いえいえ、慣れているのでむしろ快感ですね」

 鬼畜なぼっちを舐めないでもらいたいものである。

「...そうか」

 おじさん達はさらに悲しそうに俯いた。

 こうも同情されると調子が狂うが、それでも我を失わず鬼畜なぼっちを貫くのが俺こと西上 光希である。

 ちなみにこの前の模試で名前に鬼畜なぼっちと書いたら学年主任に殺されそうになった。

「それで俺たちは児童相談所にでも通報すれば、良いのかな?」

 確かにそれもアリだが、まだよるの意思を聞けていない。

 それはよるの唯一の肉親を奪ってしまう可能性があるため流石に同意を得ておきたい。

「いえ出来れば今度、一緒にうちに来て家族会議?に参加して頂きたいです」

「...そ、そんなんでいいの?」

「はい。向こうも、俺から色々と言うより大人から言われた方が聞く耳をもつでしょうから」

 大人からの警告はある意味暴力以上に強力な力になり得るだろう。

 ......それにこれはよる次第ではあるが、作戦があるのだ。

 どんな暴力より残虐で狂気的な作戦な為、実行するのは流石の俺でも少し憚れるが仕方がないだろう。

「そ、そうか...それにしても立派になったな」

 立派?卑怯でクソザコの間違えではないだろうか。

 仮に立派な人間であるとしたら、鬼畜なぼっちなんて最高にロックなあだ名はついていないだろう。

「そうですかね?」

「うん。そうやって誰かの為に頑張れる所とか姉さんそっくりだよ」

 正直、俺はそこら辺にいる子悪党に一番似ていると思うが母さんに似ていると言われるのは素直に嬉しい。

 自己承認欲求が上がるぜ...!ぐへへへ。

 棒アニメで承認欲求モンスター云々と言っていったが、俺もなってしまうかもしれない...!

「それなら明後日辺りに行かない?」

「そうですね。ありがとうございます」

「だから、せめて明日はゆっくり休もうね」

 ということで、俺の自己承認が上がり俺は鬼畜なぼっちからナルシストで鬼畜な勘違い系ロッチへと変貌を遂げたのだった...!


 新作→『失恋したらバイト先の美人な先輩に慰められて修羅場になるラブコメ』


 頼みます...!読んでくださいいいい...!(迫真)

 

 https://kakuyomu.jp/works/16817330647965671917/episodes/16817330647965862396



 それではおやすみなさい

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