内田家の朝とアルバム
現在は午前9時。
事態は一刻を迫ると言うことで、今日は学校を欠席し10時には内田家から我が家へと向かうことになった。
ちなみに逃げられたら困るいうことで、事前に向かうとは言ってない。
「光希くん朝から勉強して偉いね」
ちなみに今は俺の嫁ことエレンベーカーたんとイチャイチャしている所である。
決して、俺は勉強をしているわけではい。
そう、俺は今英文音読と言う名の愛のレクイエムを奏でているのだ。
「いえ、推し活しているだけです!」
「そ、そうなのか?...おじさん、最近の流行とか分からないからなあ。あっ、そうだ光希くんに渡したいものがあるんだった!」
おじさんはそういうなり小走りでリビングを出て行ってしまった。
昔からこういう時のおじさんは俊敏だった。
「何のことなんですかね?」
俺はソファの隣の席で家計簿をつけている花憐さんに問いかける。
「昨日も言ってたアルバムのことじゃないかな?あの人、昔から光希くんにこれを渡したいって騒いでたのよ~」
『アルバム』とは時期的によるや今の義母と家族になる前。
つまりは母さんや水野との写真が納めれらているのだろう。
「お待たせ~」
おじさんがアルバム二冊を抱えて戻ってきた。
「このアルバムを見る前に夏目からこれを読み上げろって」
おじさんは何やら手紙のような物を広げだした。
おそらく、母さんが生前に書いた手紙を読み上げてくれるのだろう。
「一部めちゃくちゃ読みたくない所あるけど...いきます」
「『拝啓 残念ながら死人に季節など存在しないので季節の言葉は割愛させて頂きます』」
母さんらしいブラックジョークに笑みがこぼれる。
「『さて、光希はもう女の一人や二人は出来ましたか。私の読みだと水野ちゃんに唾をつけていたのと、光希のポテンシャルから考えるに二人は出来ているでしょう。』」
生憎、鬼畜なぼっちこと俺は現在進行形で彼女なしキープ最低野郎である。
...すまん。マイマザー!
「『冗談はさておき、思春期で色々と悩みもあるでしょう。ですが、人生の年長者である私からアドバイスするとしたら、光希は抱え込みがちなので肩の力を抜き適当にやると良いと思います!私はいつもキャパオーバーしたらこれを読んでいるおじさんに丸投げして馬車馬のように働かせていました。人生何とかなるものです!』」
『働かせる』とは母が昔営んでいた飲食店のことだろう。
あと、ぶっ壊れることで抱え込みがち?な所もなくなったので案外これでよかったのかもしれない。
...まあ、流石にこれは鬼畜なぼっちジョークなのだが。
「『これから色々な苦難が待ち受けているでしょう。頑張れなんて言葉を私が掛けて良いのかわかりません。ですが、私はあなたを愛したまま死んでいったことだけは覚えていてほしいです』」
なぜかふと母の微笑む顔が思い浮かんできた。
「『......っとここで閉めようと思ったのですが、余白が目立つので超絶美人でぴちぴち20代な私のスリーサイズを大公開したいと思います~B87 W57.......っとどうせ死ぬならと大公開しようと思ったのですが、こちらの世界の光希が家に帰って来たのでこれで終わりま~す!敬具 西上夏目 西上光希様 侍史』」
我が母ながら色々とツッコミ所万歳だったが、母の想いは伝わってきた。
........あとで、デカくね?
何がとは言わないのだが。。。
「ありがとうございます」
「ああ」
「いいお母さんね?」
「はい!」
こうして俺たちは10時になる場で過去の思い出にふけってのだった。
あとがき
今回登場した夏目や内田、花憐は『メインヒロインが美人な親友で修羅場なラブコメ』にて深掘りされるのでぜひ!
ちなみ、話はまだそこまで進んでいないのですが、後々本作の主人公である光希も出てきたりします!
この機会にぜひ!
恋?恋愛?ナニソレオイシイノ? はなびえ @hanabie
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