今作のテーマは『いじめは犯罪』であり、話として一貫しています。
そのため、WEB小説やライトノベルにありがちな、スクールカーストやいじめの生々しい描写に対する斜に構えた態度や、いじめられる方にも問題があるのではといった戯言や妄言の類を、今作では司法という名の正義により完膚無きまでに粉砕し、加害者たちを地獄へと送ります。
これだけでも読みごたえがありますが、本作では、フィクションでは省かれがちな、加害者たちの処断後にも重きを置いているため、その点も作品の個性となっています。
また、主人公の味方をしてくれる人たちの中には、ヒロインや親友たちだけではなく、教師や親を始めとした頼りになる大人たちが大勢居ることも、今までのフィクションでは無かった展開であり、現実でもあるべき姿として描かれています。
さらには、主人公とヒロインによる甘々ラブコメと、加害者たちの苦いザマァ展開の組み合わせという今までに無い展開も見ものです。
序盤の胸糞展開を乗り越え、主人公がヒロインとの邂逅を果たすところまで読めば、後は読書中毒になってしまうので、注意しましょう。
加えて、読了後は、学校や会社やSNSで人に薦めたいラノベになってしまうぐらいには、のめりこんでしまいます。