序盤はざまぁモノにありがちな、浮気を誤魔化す為に浮気幼馴染と間男に冤罪をかけられる、といった出だしで学校での立場を失い追い詰められた主人公が自殺のダブルブッキングで出会ったヒロインや肉親や知人、教師達に、その人柄故に助けられるストーリーですが、主人公自身は誠実で優しい性分な為、ざまぁ実行にはほぼ関与しません。
ざまぁをするのはそんな主人公を自殺寸前にまで追い詰めた事に憤る肉親や亡き父親の知人達、いじめに公正に向き合おうとする教職陣、そして主人公との出会いで心を救われ、主人公に向けられる理不尽に憤るヒロインなどです。
やがてヒロインと共に行った人命救助で表彰されるのを契機に主人公を取り巻く状況は一変し始まる反撃のターン。
主人公の為に動いてきたそれぞれの行動が一つになり明らかになる真相が、因果応報とばかりに浮気幼馴染や間男、そしていじめに関与した人物達の罪を暴き、断罪し凋落させていきます。
逆境の中でもブレない誠実さと優しさを持つ主人公と、安易な自己保身や自己中心的行動、身勝手な正義感の暴走の結果として落ちていく浮気幼馴染や間男、いじめに関与した人物達とその家族との対比が実に印象的な、因果応報の見本を見せつけてくれるかの様な作品です。
最新話まで読みました、世にある作品とは異質な作品だなと思いました。
序盤は普通に展開するのですが、終わらないんです「ざまぁ」と「もう遅い」が、愚者の行いに依ってハレーションの様にその親や仲間達にも因果応報が降りかかります。
不義な行いによって失ったモノをじっくりと理解させられていく様は圧巻です、しかもまだまだ続いています。
かと思いきや途中から黒幕の存在が匂わせられます、多方面からの狭まる黒幕への包囲網と、過去から暗躍する黒幕をマルチな視点で読ませてくれます、更新が待ち遠しいですね。
あと珍しい点として、主人公は「ざまぁ」しません、非常に朴訥な善人で人柄を知った多くの人々から助けを受け周囲が悪意ある人々を追い詰めるお話です、優し過ぎる主人公にやきもきする方も居られるかもしれませんが、もし友人だったら助けたいと思える良いヤツだと思います。
最後にこの作品を生み出している作者さんにエールを送りつつ締めさせていただきます、イチオシです!!