水野(幼馴染)編
義妹の変化
よるとの一件から1日後の昼休み。
俺は4限の英語の教科書とワークを鞄にしまっていた。
はぁ。
いつ見ても俺の嫁ことエレンたんは麗しい...
この美しさはあれだ、FPSで例えるとするとオートエイムと当たり判定無効チートを使っているようなものである。
チートぜっころ...
以前ダイア帯にもう少しで昇格できそうという所でチーターに倒されたのだがその時はキーボードクラッシャーになりそうになった...
ふっ...人間不信系鬼畜ぼっちを怒らせるとはやるじねぇーか。
なんてチーター撲滅を願っていると鈴木...何とかさんが近寄ってきた。
いつものパターンである。
「よっ!光希!」
なんていつものイケメンじゃなかったらぶっころされてるであろう距離の詰めかたをしながら俺の方を組んできた。
「なぜ呼び捨て?あーわかった、わかった。格下のクソザコ野郎だからか!安心してくれ、俺そういうのなれてるから」
「...ちげよーよ!お前本当に大丈夫!?相談乗るかって...そうじゃなくて俺達ダチだろ!」
「....え?」
鈴木何とかと俺って友達なの?
何だろう...陽キャ独特の友達の定義広いやつやめてもらっていいっすか?
「嘘だろ!?なーなー!えっ?俺だけ?」
「それで?用件は?」
「...無視すんな!...うーんとなんかお前の義妹来てるぞ」
ドアの方を見るとよるがお弁当箱2個を持ちこちらを見つめてきていた。
「お前に義妹って言ってたっけ?」
「...お前なーあんだけ派手にやっといて知らないわけがないだろ~」
まあ、それもそうか。
今では俺は自他共に認める鬼畜ぼっちである。
「光希くん~!」
なんてよるがいつもの陽キャムーヴをかましながらこちらへ駆け寄ってきた。
手にはお弁当が2つ。
おそらくこれがよるの言うところの1からと言うやつなのだろう。
これに対して俺はどんな顔でどんな対応をすれば良いのだろう。
昨日から夜通し考えてはいたのだが一向に解を導きだせなかった。
「もう~ほら!そんなしかめっ面してないで」
よるが俺の頬に手を添えて口角を上げてきた。
「光希くんは笑顔でいたら...結構かっこいいんだよ?」
よるは自分の台詞に照れたのかほんのりと頬を赤らめている。
「...よる、どうした?病んでるのか?俺がかっこよく見えるって相当重症だぞ...?」
よるは虫好き系女子ならぬ西上光希好き系女子ではないはずだ。
「何、お前ら付き合ってるの?俺結構よるちゃんタイプなのにな~」
俺はともかく高身長イケメンな鈴木何とかとよるならお似合いだろう。
「な、わけあるか」
俺の一言に不満げな表情を浮かべながらよるが俺の手を握ってきた。
「見方によってはそうかもね!」
「...え?」
「ん?」
え?何。マジてよる病んでの?
義兄ちゃん心配だよ...
俺はただただ呆然とその場に立ち尽くすしかないのだった。
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