義妹のエゴ

「今日の夜7時に昔よく遊んでた公園に来てくれないかな?」

そういうと水野は足早に教室を去っていった。

なんか決闘みたいだな。

いや、確か水野はまだバブルだった気がする。

つまり喧嘩上等。

夜露死苦ぅ!である。

「光希、これあれだぞ。告白だぞ!?」

俺の恐怖心とは裏腹に鈴木何とかはそんな事を言っている。

「違うな。多分、公園に着くなり数人の屈強な男に取り囲まれてリンチにされんだよ」

「んなぁ訳ないだろ~」

「鈴木、この世で一番怖いものって何か知ってる?」

「あ~オバケとかか?」

「...人だ。人は人を憎み巧妙に陥れてくる。嫌だ、助けてって泣き喚いても何処からともなく薄ら笑いが聞こえてくるだけで誰も助けてくれやしないんだぞ」

「...お前本当に何があったんだ...相談乗ろうか?」

やはり鈴木何とかは良い奴である。

「ありがとう。その為には俺を今までに陥れてきた奴ら全員について話さないといけないからざっと6年間はかかってしまうが良いか?」

なんてくだらない会話?をしていたらよるにくいくいと袖を引っ張られた。

「どうした?」

「...行くの?」

よるは今にも泣きそうな表情をしながらこちらを見つめてくる。

「一応な」

「なら、私も連れて行ってくれない?」

よるは俺の手を握ってきた。

体温が低いのかひんやりとしていてそして柔らかい。

「どうしてだ?」

「私が光希くんと...過去と向き合うためかな」

よるは真っ直ぐと俺を見つめてきた。

おそらくよるにはよるの考えがあるのだろう。

水野には悪いが後からよるもついてくると電話でもしておくことにしよう。

ということで俺たちは教室を出たのだった。


作者

コメント返信は日曜日にまとめてします~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る