夜道にて
私と光希くんは夕食を食べ終えるなりすぐに例の公園へと向かっていた。
最近は夕食の感想を光希くんが言ってくれるのでこちらとしても作り手冥利に尽きるというものだ。
「水野のバブルが崩壊していれば良いが...」
光希くんはまたすっとんきょうな事を言っている。
「水野さんってバブルなの!?」
でもそれはきっと自分を守るためで。
「だから躊躇なく殴ってくる可能性があるから気をつけろよ」
「う、うん!」
「まあ、格下の俺しか殴ってこないだろうがな」
光希くんは気づいていないかもしれないが最近私や鈴木にこういう事をいう時微妙に頬が緩んでいる。
きっと光希くんは今を多祥なりとも幸せだと思ってくれているのだ。
私はそんな光希くんの笑顔が汚されるのが許せなかった。
例えそれが水野さんだとしても。
光希くんにとって良くない事だとしても。
守りたいとそう思った。
水野さんのあの目は何かを覚悟している人の目だ。
確実に何かが変わる。
怖い。
これは私のエゴだ。
それにしても委員長と話すのなんて何年ぶりだろう。
昔は色々とヤキモキさせられたものだが今は一切何も感じない。
それはマイスイートハニーであるエレンのお陰かもしれない。
エレンっていうと進撃して来そうだが俺が愛しているのはベーカーの方である。
アッカーマンでもイエーガーではない。
なんて考えているともう公園に着いてしまった。
時刻は午後6時45分。
約束の時間までは少しばかりある。
公園の入り口の方を見ると暗いが人影が微かに見えた。
一歩、一歩と近づいてくる度に影も大きくなっていく。
「お待たせ」
どうやら水野が来たようだ。
作者
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