接触

 あれから何やかんやあって時は翌日の昼休み。

 とりあえず委員長に近づかなければ現状は何も動かないと思うので委員長に話し掛けようとしたのだが...

 委員長が徹底的に避けてくるため全く近づけない。

 今も足早に教室を出て行ってしまった。

「どうしたんだ?光希?」

 俺は思案していると鈴木何とかが肩を叩いてきた。

「実は人に避けられててさ...」

「えっ?そ、そうか...大変だな」

「まあ、人生柄こんなの当たり前なんだけどね。常に人から気味悪がられ避けられる人生...」

「...光希...相談乗ろうか?」

 相変わらず鈴木何かと良いヤツである。

 我が嫁エレンたんがいなかったら惚れていたな...

「ありがとう。だとしたら小学生くらいからだからざっと10年くらい掛かるけどいい?」

 おっと...そうだ。鈴木何とかおちょくっている場合ではないのだ。

 俺も教室を出て委員長が行きそうな場所を回ることにした。



 結局、あれから委員長を見つける事は出来なかった。

『なあ、避けられてて復讐も何もないんだけどどうすればいい?』

 自室で俺はスマホ片手で織音にLINEしていた。

『女の子によくある私のこと見つけて~ってやつじゃないの?』

『いや、人に避けられ検定一級の俺に言わせておけばあれはガチだぞ』

『あーはいはい。おつ』

『おい。そこは俺を庇う流れだろ...やっぱり鈴木何とかは俺の第2婦人だな』

 何て言ってみるが俺は純愛ガチ勢なので本当に愛するのはエレンたんのみである。

『...何言っての?まあ、いいや。とりま私に考えがあるから任せてみんしゃい』

 この手のことではめっぽう強い織音の事だ何か考えがあるのだろう。

 ならば俺はそれに従うだけだ。

 ということで俺は今日は早めに寝ることにした。





「おい...なぜそうなる」

 翌日の放課後。

 今日も今日とて委員長に避けられた俺はいつも通り校門前で待っていた織音と合流したのだがイレギュラーな事が起きていた。

 なぜか織音が抱きついてきたのだ。

「やっぱり気づいてなかったんだ...幼馴染さん私と会う時だけ遠巻きに見てきてるんだよ」

「まじ?」

「まじよりのまじよ。ほら、あそこの隅」

 確かに学校のドアからこそこそと委員長がこちらを見つめてきていた。

「なるほどこれで誘き寄せると言うことか」

「+復讐ね」

 委員長は俺を守る云々と言っていたので見た目がごりごりヤンキーな織音を見張っているのだろう。

「それよりお前は良いのか?中学から離れてるとはいえ噂が広がったりでもしたら肩身が狭い思いするだろ」

「いや、そもそも肩身が狭くなるような人間関係築いてないからさ...」

「お、おう」

「ふふっ、冗談だよ...いつものお返し。まあ、その時はいつも以上に遊んでくれたら許してあげる」

 なんてくだらない雑談を交わし歩いている間も委員長は俺たちについてきていた。

 俺は織音との雑談を切り上げ全力疾走で委員長の元へ向かったのだった。

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