修羅場?
1日、また1日とあっという間に時は過ぎ去っていく。
よるのクラスでの一件からもう2週間ほど経った。
井上の件については先生にチクっておいたのでひとまずは安心だろう。
というか今のところそれしかやりようがない。
ちなみに中学生の時のあだ名はチクリマンマンである。
中学生独特の卑猥で頭の悪そうなあだ名は個人的には大好物である。
昼休み。
今日も今日とて黙々と参考書を進めていた。
「西上お前は真面目だな~」
鈴木何とかがにたにたとしながらこちらへ近づいてきた。
モテるんだから女子とハッスルしてれば良いものを...
「お前と違って社会は俺に対して厳しいからな」
「あ、相変わらず闇深いな...そんな事ないと思うけどな」
「あるんだよ。好きの対義語って知ってるか?」
「あー良くあるやつな~確か無関心だっけ?」
「...やっぱり恵まれてるな。答えは消えろクズだよ」
「...ホントに怖いからやめてくれない!?」
人、怖い。一人が良い...
「それで鈴木、用件は?」
「お前の彼女に呼んでこいって言われた」
鈴木が人差し指を教室のドアの方へ向ける。
それに合わせ見るとよるの友達中村さんがいた。
表情的に何やら急いだ方が良さそうなので急いで駆け寄った。
「中村さんどうしたの?」
中村さんは強く俺の右手を握ってきた。
「よるちゃんが...よるちゃんが...きて!」
俺は中村さんと共にによるの教室に来ていた。
この前の一件以来だから実に2週間ぶりである。
何やら教室内から男女の怒鳴り声が聞こえる。
「光希くんと中村に謝って!」
ドアを開け見るとよると井上が睨みあっていた。
他クラスの奴らも覗きに来ているくらいだから相当な時間ここでいがみ合っていたのだろう。
「中村さん何があったの?」
「私が悪いの...」
中村さん曰く中村さんの中学時代の元カレと井上が友達同士だったらしい。
そして中村さんと元カレがそういう事をしている写真を入手した井上はそれでよるに付き合えと脅したらしい。
さもなくばネットに拡散するぞと。
それに加えて俺の事を井上が悪く言ってそれに対してもよるは怒ってくれた?らしい。
これに関しては疑義である。
まあとにもかくにも井上は壊れている。
そんな井上に真っ当なよると中村さんが敵うわけがない。
ならより壊れている俺ならば。
「ごめん、ちょっと向こう行ってくる」
俺は教室に一歩踏み出したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます