鬼畜なぼっち

 あれから2日もの時が経ち俺の傷も全回復していた。

 どうも!昔から心身共に傷つく事が多く心は鈍り、体の修復スピードも異常に上がった男西上です。

 ちなみに井上に身ぐるみ剥がし脅したことから裏で男子から鬼畜野郎と言われている。

 女子はそもそも関わりがないので知らぬ...

 とにもかくにも春もだんだんと終わりが見えてきて暖かくなってきているのにも関わらず周囲からの俺への視線は冷たい。

 やったー!これでエアコン要らずだね!

 一つだけ注文するとしたら俺の事を罵るのは美少女だけにしてもらいたいものである。

 他がわーわー言ってきたらマジで殺意が沸いてくる...

 まあ、美少女からの罵りのお陰で生きる気力を貰えているのも事実なので良いのだが。

そういえば井上の件については両者なかったことにしようと言うことで決着がついた。

穏便にすんでよかったよかった。


6限の終わりを告げるチャイムが教室内に響き渡る。

前までは一人で帰ることが多かったのだが、最近はよるが教室の前で待ってくれていることが多くなった。

そのお陰でクラスの男子から殺意の籠った視線を向けられるので複雑な心境である。

「中村さんと帰らなくて良いのか?」

正直、こんなしょうもない男と帰るより中村さんと帰った方が100倍楽しいと思うのだが。

「光希くんは私と帰りたくないの...?」

何だろう...上目遣いで可愛く言うのやめてもらっていいですか?(ぱちぱち)

「俺はどっちでもいいかな」

「...そんなんだからモテないんだよ?」

よるが頬を紅色に染めくいくいとネクタイを引っ張ってきた。

何を隠そう俺は学校中から嫌われている男である。

モテなど夢のまた夢だ。

「よるに言われるとか.....マヂ無理とすかしよっ...」

こうして俺はまた深い傷をおい帰路についたのだった。




下校中小腹が空いた俺たちはEIIONのフードコートに来ていた。

マ○クやケンタ○キー、サーテ○ーワンなと錚々たる大手チェーン店達が構えていた。

「クレープ食べよっかな~」

「ん、なら俺も同じのにしようかな」

自分と言う物がない俺はやはりこの手の事は人に合わせるのが性にあっている。

「よし、なら俺買ってくわ」

ということでよるは席に待たせ俺一人でサーテ○ーワンへと向かった。




それから3分くらい待たされやっとお目当てのクレープ2個を手に入れた。

ふとよるの方を見てみると俺たちと同じ学校の生徒と何やら親しげに話していた。

おっー...と。

これは今、俺があの場にいったらお邪魔になるヤツだな。

いくら狂っている俺と言えどそれくらいはわきまえている。

昔から恋愛リアリティーショーなるものを好きになるヤツの気持ちだけは一切合切分からなかったが今わかった気がする。

親心というやつだろう。

なんて思いつつクレープ片手に遠くから眺めているとピコンっとLINEの通知音がした。

よるからのようだ。

「...なんで助けてくれないの?」

どうやら恋愛リアリティーショーは成立していなかったようだ。

ということで俺は小走りでよるの元へ向かったのだった。

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