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- ★★★ Excellent!!!新解釈・信長
信長を取り扱った論評や小説は数多あります。その中の一つとして面白く新しい解釈をされている側面も垣間見えて最後まで楽しく読まさせていただきました。
信長と父信秀、そして、守役の平手政秀、そしてまたもう一人の父であるマムシの道三、信長は父となる相手に非常に恵まれた人材をいただきながら、しかし、なぜかその時間的な縁が非常に短い、そういう点では非常にお気の毒な悲しい立場に立たされます。
筆者にはそれが信長の行動の根底に軸としてあることを説かれます。「人の情」という面において、非常に説得力のある説であるように感じました。
そしてその情の流れる先に自らの運命までもが支配されてしまう。実は信長は非情…続きを読む - ★★★ Excellent!!!破天荒な振る舞いに隠された切ない真実――。
常に冷酷無比で、人にどう思われようが己の志を完遂すべく合理的に判断し、徹底して行動する――。
そんな人間として多くのドラマや小説に取り上げられてきた織田信長ですが、こちらの作品によって、母親の愛情を渇望する様や、彼が抱える不安や葛藤、死生観などに触れることが出来、「そうだ。彼もまた血の通った一人の人間だったんだよな」と改めて考えさせられます。
数々の破天荒エピソードの裏に隠された、一人の男の「孤独」に迫る本作。
読後、貴方の「織田信長」に対するイメージも一変するかもれしれません。
歴史に興味のある方も、そうでない方もぜひご一読を。 - ★★★ Excellent!!!「孤独」という、氷を抱きしめたかの、切なく美しい物語
信長を語る(騙る?)数多の歴史・時代小説には、大概、話のサワリとなる「お約束」、というものが有るものですが、今作では、その辺りはテキトーに済ませ、信長が内包する”絶対的孤独”を軸に話が展開されています。(母の愛情を享受したことがないこと自体は、大した問題ではないと考えています。)
信長を語る(騙る?)上で、いったい、サワリの部分をテキトーに済ませ、通底する孤独のみに頼んでハナシを展開・牽引するといったことがあるでしょうか。読者の立場としても、なにか、迫真の読ませどころ、そういう意図なくして書き続ける――そういうことが有り得ようとは想像していませんでした。
ところがここに、およそ迫真の読…続きを読む