★★★ Excellent!!! なんて爽快な信長 瀬緒 遊 信長が出てくる小説はもうゲップが出るほど読んだ。もう彼が何をやったかはわかってる。 そうした読者も満足させるこのキャラクターの魅力よ。動機づけの明快さよ。 詳細なのにテンポ良く読ませてくれるのも、さすがの作者の力量です。 レビューいいね! 0 2022年12月18日 08:49
★★★ Excellent!!! 新解釈・信長 清十郎 信長を取り扱った論評や小説は数多あります。その中の一つとして面白く新しい解釈をされている側面も垣間見えて最後まで楽しく読まさせていただきました。 信長と父信秀、そして、守役の平手政秀、そしてまたもう一人の父であるマムシの道三、信長は父となる相手に非常に恵まれた人材をいただきながら、しかし、なぜかその時間的な縁が非常に短い、そういう点では非常にお気の毒な悲しい立場に立たされます。 筆者にはそれが信長の行動の根底に軸としてあることを説かれます。「人の情」という面において、非常に説得力のある説であるように感じました。 そしてその情の流れる先に自らの運命までもが支配されてしまう。実は信長は非情の人ではなく、常に熱く深い情を欲していた人物ではなかったのか、そのようにも感じました。 以上のことを思うにつけ、改めて、タイトルにある「さびしい信長」、これが的確に的を射た表題であったと納得できる所以です。 レビューいいね! 1 2022年11月25日 09:29
★★★ Excellent!!! 魔王と呼ばれた男の悲哀 北浦十五 織田信長は日本史の中でも稀有な人物として知られています。 これまでの概念に囚われず、破天荒とも言える事を何度も行っています。 自身を魔王とまで呼ばせた信長を1人の人間として見つめるこの作品。 一読の価値あり、です。 レビューいいね! 1 2022年1月24日 07:23
★★★ Excellent!!! 破天荒な振る舞いに隠された切ない真実――。 御田義人 常に冷酷無比で、人にどう思われようが己の志を完遂すべく合理的に判断し、徹底して行動する――。 そんな人間として多くのドラマや小説に取り上げられてきた織田信長ですが、こちらの作品によって、母親の愛情を渇望する様や、彼が抱える不安や葛藤、死生観などに触れることが出来、「そうだ。彼もまた血の通った一人の人間だったんだよな」と改めて考えさせられます。 数々の破天荒エピソードの裏に隠された、一人の男の「孤独」に迫る本作。 読後、貴方の「織田信長」に対するイメージも一変するかもれしれません。 歴史に興味のある方も、そうでない方もぜひご一読を。 レビューいいね! 1 2021年12月18日 14:31
★★★ Excellent!!! 「孤独」という、氷を抱きしめたかの、切なく美しい物語 桐壺 艶太郎 信長を語る(騙る?)数多の歴史・時代小説には、大概、話のサワリとなる「お約束」、というものが有るものですが、今作では、その辺りはテキトーに済ませ、信長が内包する”絶対的孤独”を軸に話が展開されています。(母の愛情を享受したことがないこと自体は、大した問題ではないと考えています。) 信長を語る(騙る?)上で、いったい、サワリの部分をテキトーに済ませ、通底する孤独のみに頼んでハナシを展開・牽引するといったことがあるでしょうか。読者の立場としても、なにか、迫真の読ませどころ、そういう意図なくして書き続ける――そういうことが有り得ようとは想像していませんでした。 ところがここに、およそ迫真の読ませどころが有って始めて成立つハズの”信長もの”の中に、全然迫真のない作品が存在する。信長の絶対的孤独を「これでもか!」とばかりに叩き付けて、しぶとくその生命を持ち、多くの読者を惹きつけてしまう。これは厳たる事実で、それがこの「さびしい信長」であります。 いきなり突き放されて、何か約束が違ったような感じで戸惑いながら、思わず目を打たれ、プツンとちょん切られた空しい”余白”に、非常に静かな、しかも透明な、ひとつの切ない「ふるさと」が見られることでしょう。 その余白の内外に繰り広げられ目に沁みるのは、やはり”信長ものらしい”、残酷でいやらしい風景です。それでも確かに、何か、氷を抱きしめたかの、切ない悲しさ、美しさがあります。 そこで私はこう思わずにはいられぬのです。つまり、一見やりきれなくて切ないだけの話とか、突き放されるだけの話というものは成り立たないようであるけれども、どうしてもそのようでなければならぬ、”絶対的孤独”という、避けては通れない崖が存在する、と。 ならば、”信長の絶対的孤独”というものは、”信長のみに課された”むごたらしく救いのないものなのでしょうか。どうも私には… 続きを読む レビューいいね! 2 2021年12月15日 01:19
★★★ Excellent!!! 孤独な覇王の心に迫る快作!! 上月くるを 粗暴な振る舞いが伝えられる織田信長の原点は、実母の愛を得られなかった飢餓感にあるのでは?……そこに着目した作者は、既存の歴史小説に見られない斬新な視点で、人間・信長を深く掘り下げていきます。孤独な男の胸を吹き荒れる風に、きっとあなたも……。 レビューいいね! 1 2021年12月4日 12:45
★★★ Excellent!!! 激情すらも、時として悲しい! 小濱宗治 世に、信長を描いた作品は多くある。そして、作品ごとに、作者の視点は異なっている。 この作品の場合は、信長の孤独に視点が置かれている。それ故に、彼の悲しみや孤独をこそ、凡夫の我々は理解できる。 乱世の覇者とてアンドロイドじゃねえ! 人なのだ! そんなメッセージを感じさせてくれる、小細工無しの時代小説! 個人的には縦読みを推奨したい。 レビューいいね! 3 2021年12月2日 19:28
★★★ Excellent!!! 題名の通りの、信長の寂しさ @taro7123 信長が人知れずに持っている、寂しさを基盤として、書かれております。大うつけと馬鹿にされ、なかなか認めて貰えない寂しさ、そして、母親に愛されなかった寂しさ。下克上の戦国時代の武将とは言え、一人の人間です。母親に愛されなかった自分を、天才肌だったとは思いますが、肯定する事が出来無かったのでは無いか。弟を暗殺する事で、母親とも精神的に決別をし、何か吹っ切れた物があったような気がします。その後、後々に冷血と言われるような、大虐殺にうでを染めてしまうのも、タガが外れてしまったような気がします。今後も期待しております レビューいいね! 2 2021年12月1日 19:48
★★★ Excellent!!! 人間らしさを描くという珍しい切り口で信長を描いた作品 秋茜 このレビューは小説のネタバレを含みます。 全文を読む(178文字) レビューいいね! 2 2021年11月30日 18:54
★★★ Excellent!!! 信長がその手に抱えた物は、ただ寂しさのみ 花束よしこ 私は豊臣秀吉が好きなのですが、本作を読んで、ただただ信長の寂しさに心を通わせている自分がいました。信長が本当に掴みたい物の形を、バッチリと書かれていて凄いです。 レビューいいね! 2 2021年11月26日 07:22