第4話 プロローグ④

勇者パーティと魔王様の戦いが始まり数十分後


女神モニタールームに勇者朝陽の担当女神

アクアマリンが満腹になって帰ってきた


ふぅ〜と満足気な吐息を漏らして、モニターを見る女神アクア

朝陽達が魔王様と激しい戦いの最中であった。

相変わらず、必殺技名を叫んでる朝陽。

技名から想定され対応されちゃうのを見て、


 言わなきゃもっと戦いやすいのにな〜


毎度の事ながら口を出したくなる

どうやらパーティメンバーも同様の気持ちのようなのが

モニターから見てとれる。


『こりゃ大変だな』


とちょっと苦笑いの女神アクア

それでも強さは折り紙付き

負ける事は想定していない


モニター越しに戦いを見ながら

先日の出来事を思い出す


魔界に入る前、とある教会で深夜

勇者朝陽が女神に向けて祈りを捧げていた。

普段そんな事をする子ではないのに

女神アクアは不思議そうに見ていた


勇者朝陽の祈りの内容は

いつも同じだった


『女神様、もし魔王を倒す事が出来たのなら

俺の現世への帰還を討伐直後にしてください』


だった


本人の意思だったが

何度か、それでいいのか?と

聞いたこともあったが

答えは


『俺はこの世界に長く居すぎました。情が沸いたというか

討伐後の世界を見て、いろんな人に会うと

帰りたくなくなるかもしれないのです

いや多分ここにいた方が幸せであると思ってしまいます

俺の世界はここじゃない、と分かっていても甘えてしまいそうで』


それは別に悪い事ではないのでは、とアクアは思うのだった。


『この世界にずっと居てもいいのですよ?』


アクアがそう言うと


『帰って会いたい人がいます

心配かけたままになってしまっているのなら、笑顔にさせないと』


思い人の事を言っているのだろう、とアクアは朝陽の意を汲む約束をしたのだった。


そんな事を思い出しながら、モニターをじーっと見ていた


 まだまだ戦闘は終わらなさそだな

 ふぁ〜眠くなってきたな〜


と食後の眠気に耐えきれず

ついうたた寝してしまったのでした


続く


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る