転生魔王様編

転生魔王様

『うぅ。まぶしい……』


魔王様が薄ら目を開けると真っ白な空が

目に入った。


 ここは、どこだ? 

 体が……動かない?

 真っ白な……天井?

 あちこち痛い。

 確か日本とか言う場所だと言ってたな……


頭の中で今の自分を認識しようとする魔王様。


 手に何やら管がついてる。動くか?


手を動かしてみるとゆっくりだが反応した。


 ふむ、意識と体は繋がってるようだな。

 と言う事はこれが私の体で間違いないなさそうね。


少しずつ今を認識し始めた魔王様。

手足の動きが意識と連動している事がわかったので

起き上がろうとした時だった

体に激痛が走った。


『イダダダダダダ』


 動かない?

 と言うか動かせない、動きにくいってか痛い。

 私は動けなくて寝かされているのか。

 ケガ?

 あれか〜よくある大怪我とかして意識無くなって

 転生しちゃいました系か〜

 と言う事は安心できる場所に寝てる、そんなとこかな。


『ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ』


と音が聞こえる。


『病院かな〜』


そう呟いた時だった、ガラガラと音がなり

部屋の扉が開き、何かを押して人が入ってきた。

何やら作業をしてる後ろ姿を見つつ


『あのぉ〜』


魔王様が恐る恐る呼びかけてみた。

白い衣服の看護士さんがビクッとして振り返る。


魔王様もビクッとして焦る。


 は、話かけて大丈夫だったかな?

 敵ではないよね……


『あ、明日さん?明日朝陽さん?聞こえます?見えてます?』


看護士さんが話しかけてくる事に

首を縦に振って反応する魔王様。

看護士さんが何やらボタンを押して誰かと話している。

扉がまた開き、人が入って来た。

少し白衣の姿見が違うとこから

医師だろうか、と魔王様は思った。


『大丈夫ですよ。動かなくていいですから。無理はせずそのままで

いてくださいね』


と言われ、目に光を当てられる。


 まぶしいわ!


と思ったが、我慢する魔王様。

その後バタバタと人の出入りがあり

落ち着きを取り戻した後に

今の状態を説明された。


 どうやら大きな階段から転落し大変なケガをしたらしい。


何やらデジャブ感が拭えない魔王様。


 わ、笑えない冗談だな。


数名いた人たちがいなくなり看護士さんが一人残る。

まだ目が覚めたすぐで危険な状態なのだろう。


何となくだが、勇者朝陽の意識が入ってくる。


 浮かれて調子に乗りすぎたようだ、話に夢中になって階段から足を踏み外した


何となく反省した気持ちだろうか。


 なんか変な気分だ。意識が二つあると言うか

 理解がスッと入ってくると言うか。

 これも慣れないとダメみたいだな。


そんな事を思っていると

バンっ!と勢いよく扉が開き、何かが飛んで来た。


『おにぃちゃ〜〜ん』


と人がベッドにダイブして来た。


『うげっ』


トドメをさされたと思ったがワンワンなく子を見て

何か懐かしい感じを覚え頭を撫でる。


 なるほど、妹か姉かと思った、妹だったか

 どっちかは居ると言う設定だろうな〜と

 思ってはいたが、必ずと言っていい程必要な妹設定だったか


すごく納得をする魔王様は泣いてる妹をなでなでし


『大丈夫だよ』


と優しく声を掛けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る