メッセージの相手は
休日のある日、お昼ご飯後、社会見学に散歩でも
行こうかと思い外を眺めていた時だった
ピロリン♪
魔王様のスマホがメッセージの着信を知らせる音が鳴った。
『ふふ、誰かな〜』
あまり鳴らないのでたまに鳴るとちょっと嬉しい魔王様
スマホを見ようとした瞬間
ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪
『わわ、何々?なんだなんだ!?』
急にたくさん鳴ると逆に不安になってくる
恐る恐るスマホでメッセージを確認すると
先日魔界設定のコンセプトカフェで再開したラトワネからだった
アイコンが自撮りのアップなので分かりやすい
『なんの用だろ?』
メッセージを確認するとスタンプばっかりだった
『……ただの暇潰しか?』
と思ったのだがスタンプをよく見ると
(箒にまたがって空飛ぶ女の子)
↓
( 蛾 )
↓
(本を読んでる人の絵)
↓
(日本酒などを入れるのに用いられる枡(マス))
↓
(数字の 4)
↓
(数字の 9)
↓
( 木 )
↓
( 手 )
↓
(ストロー?)
↓
(動物のサイ)
『なんだこりゃ?』
読み解いてみると
『箒に乗った、魔女だな。蝶ではなく蛾、魔女が、本を読んでる、ます
魔女が読んでるます、読んでます、呼んでます。4と9で至急、木、手、ストロー?、さい?』
『魔女が呼んでます。至急きてください、だろうな〜』
ん〜ストローがわからんが、魔女ってあいつだよな〜
なんか用があるって事か
ってか子供みたいな真似すんじゃねーよ
と思っていると
ちゃちゃちゃちゃーん!ちゃんちゃんちゃっちゃっら〜♪
電話がなった
画面を見て溜め息をつき電話にでる
『電話してくるならわかりにくいスタンプ送ってくんじゃねーよ』
と電話の相手、ラトワネに向かって言う
『あ〜魔王様〜フフフ、意味わかりました?
それ送るためにたくさん課金したんですよ!』
魔族が課金してスタンプ収集って……
『で?なんか用なの?』
『私これから物見有残に出かけようかと思ってんだけど』
と魔王様が言うと
『あっ、ではそのついでにうちに寄って下さいな』
『そんなに長い話になるわけでもないと思いますので』
『待ってますね〜♪』
プープープープープー
『切られた……』
『ストローの意味を聴きたかったが、流れから管(くだ)なのだろうけど』
『はぁ〜魔女ってのが引っかかるな〜』
『なにか頼まれそうな雰囲気だな、行かないでおこうかな〜』
と空を眺めながら独り言をブツブツいってると
『どっか出かけるのお兄ちゃん?』
妹御の月依(つきよ)が部屋からひょいと顔だして聞いてきた
やば、話し声聞こえてたかな?
『あ、聞こえてたかな?うるさかった?アハハ』
愛想笑い風に頭をさすりながら斜め上目線で魔王様が月依に尋ねた
『ん?いやなんか話てるな〜って感じだったから出かけるのかと?』
あせった〜
つい魔王時代の口調で話ちゃったけど
ちゃんとは聞こえてなかったのかな?
大した話をしてる訳じゃないが
相手が魔界の住人ってだけでなんか後ろめたい空気になるな
誰だと言えない相手だと、何故か汗かくよな
『うん、あっちょっと散歩がてら買い物にでも、アハハ』
と、そそくさと着替えに部屋に入る魔王様
部屋の扉をじーっと見ながら月依がぼそっと
『今、私って言ってた???』
『まさかそういうお店とかじゃないよね?』
妹がそんな妄想をしてるなんて思いもせず
出かける魔王様
『いってくるね〜』
ぶらぶら歩きながら観察する魔王様
いい天気だな〜
魔界と違って天気がいいと景色が綺麗な感じがする
魔界なんて、いっつもなんか薄暗いもんな
住みやすい世界だな
一応私も国を持ってるわけなので
いろいろと勉強なる事は多い
やはり食料だな
おなかいっぱい食べて幸せになれる
そういう国つくりをだな〜
と考えつつ駅につき電車に乗る
電車みたいなん作りたいな
魔界のあちこちを線で繋ぐ
魔石を燃料にして木製の箱を移動させる
いいかも!
ん〜いやこんなもん動いてたら
魔獣に速攻転ばされるな〜
ネコ科のやつら絶対遊び道具にしそうだし
電車に乗る事もなれ
揺られながら窓の外を眺め考え事をする
魔界今どうなってるんだろ?
私がいない間に問題起きてないだろうか
あいつら私が負けたと思って
暴走してなきゃいいけど
特に城のやつらは心配症なやつが多いからな〜
はぁぁ〜心配だ
心配しても何もできないから
どうにならんのだけどさ
外を眺めながら配下の心配をしても
ここが異世界であり自分の世界と違う事を改めて認識してしまう
異世界か
私が魔界に落ちた時の事
思い出してしまうな
クソッたれめ!
そんな事を考えてると目的地に辿りついた
電車を降りてホームを出るのにも
もう慣れたのだ
最初はよく捕まってたというか
挟まってたな
駅員と喧嘩もしたが
そのおかげで仲良くはなった
改札を出て外にでる魔王様
駅を出てキョロキョロする事もなくなった
さてとカフェまで行くか〜
続く
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