帰還

 目を開けるとそこは見慣れた部屋ではなく

懐かしい場所だった


 『眩しっ』


魔王様と朝比奈先輩、妹の月依

3人が同じように手で光をさえぎった


 『ここは…どこなの?』

 『家にいたはず…?』


魔王様以外の2人は突然の事に驚いている


 『キタキタキタキターーー帰ってきたー!!!』


両拳を突き上げ喜び叫ぶ魔王様


 『え?なになに、なんなのお兄ちゃん?

 あんまりおかしな事ばっか言ってたらぶん殴るわよ』


 『ちょっと朝陽君落ち着きなさい

 急な出来事で取り乱すのは分かるけど

 こういう時こそ自分を忘れずしっかりするのよ!』


朝比奈先輩と月依が朝陽の姿をした魔王様が

奇声を上げた事でおかしくなって現実逃避していると

思って必死になだめてきた

2人が自分の心配をしてくれている姿を見て

優しい気持ちになる魔王様


 自分の方が怖い思いをしてるはずなのに

 2人ともそれを出さず私の心配をするなんて

 朝陽め、羨ましいやつだ


その時、急に空間に扉が現れ

そしてそこから1人の女性が

室内に入ってきた


 『やはり貴様か女神アクア』


魔王様が声をかける


 『遅くなってしまってごめんなさいね』


と魔王様の方を見た女神アクアが声を失う


 『ちょちょちょ・・・・・・

 あ、あんた何一般人連れてきてんのよ!!!』


開いた口がふさがらない女神


 『連れてきた訳じゃない

 お前が急に次元を開くから

 近くにいた2人を巻き込んでしまったんだろうが!

 急に戻すんじゃねーよ!

 もっとたくさんの人に囲まれていたら

 巻きぞいくう人間がもっといたかもしれんだろ!!

 一声掛けてからやれや!!』


魔王様が言い返す


 『悪かったわね

 急を要する事態になってしまって

 どさくさに紛れてこのタイミングを逃す訳には

 いかなかったから仕方なかったのよ』


魔王様と女神がやいやいと言い合いをしてるのを

朝比奈先輩と月依が不思議そうに見ている

朝比奈先輩がコソコソと魔王様に近づき


 『知り合い?なの??』


女神アクアの方を見つつ

魔王様にそっと聞いてくる

女神アクアと朝比奈先輩の目があった

その瞬間だった朝比奈先輩の体から

1人の人物が勢いよく飛び出してきた

全員が目を見開いてびっくりする

飛び出してきた人物も驚いている様子だった



続く

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