勇者が異世界をクリアしたら魔王が現在に転生されちゃった
春夏秋彦
序章
第1話 プロローグ
俺の名前は勇者 『明日 朝陽(あした あさひ)』。
この世界に勇者として転生し、3年間の旅を得て素敵な仲間達との出会い
そして今魔王城の最奥、魔王の間の扉の前に立つ。
この世界の救世主となり、魔王を倒し平和を手に入れた暁(あかつき)には
女神様から一つ願いをかなえてもらえる事になっている。
俺の願いはただ一つ、あの人が多分俺を待ってる……はずの元の世界に帰る事!だ。
そんな私情をパーティメンバーは知らないが
さすがに魔王との戦いを前にしてみんなの表情も不安げだ。
『みんな!最後の戦いだ!俺がスパッとやっつけてやるから安心して見てな!』
分かりやすくハッパをかけようとする俺を、よく言うよって表情で苦笑いと
ジト目で答えてくれるこの仲間達が俺は大好きだ。
とはいえ、さすがに緊張と疲れが見える。だからと言ってここで引き返す訳にもいかない。
緊張を飲み込むように、大きく息を吸い込み、扉に手をかけた
その瞬間どこからともなく声が聞こえてきた。
『勇者よ。勇者朝陽とその仲間達よ』
この声は俺のこの世界に転生させてくれた女神様。
『この声は女神様!?』
俺は思わず叫んでしまった。
『よくぞここまで辿り着きました。これが最後の戦いとなるでしょう。
さぁあなた方に女神の祝福を』
皆の体が光に包まれ、ここまでの戦闘で消費した体力と魔力が回復していく。
場所は変わり、天界女神部モニタールーム。
『女神の祝福を……』
そういい残しマイクオフをタップし、勇者パーティに照準を合わせたオールリカバリーをクリック。
『んとぉ、勇者朝陽、筋肉マッチョ戦士さんと、ツンデレロリ賢者ちゃん、
巨乳僧侶ちゃん、ドワーフ族長の娘でどじっ子眼鏡ちゃん』
と分かりやすいパーティ説明をしつつも
全員を画面越しにタップし光に包まれる
パーティを見てホッと一息つく。
『あら、マリンちゃん、その子ついに魔王戦?』
フーっと一息ついたその時後ろから声がかかる。私、女神アクアマリンを
マリンちゃんと呼ぶ声の主は親友の女神アメジスト事アメちゃんだ。
『そっ。やっとここまで来てくれたのよ。この子実力はあるんだけど、
異世界を堪能しすぎちゃって、隅々まで回っていろんな所で人助けしてくれてたのよね~
RPGでいう隅々まで探索しまくるタイプなのよね』
とちょっと困り顔で答える私にアメちゃんは
『まぁでも生きてここまで来てくれたのはいい事じゃない。』
そう言うには理由(わけ)がある。いくら女神チート積んでも
不慮(ふりょ)の事故がない訳ではないのだ。
志半ばでという事例もたまに起きてしまう。
『そうだよね』
私は深く頷きながらそう答えた
『この子戦闘を楽しんじゃうから
それだけは救いなんだけど
自分の必殺技使う時にいちいち名前叫んでなんなら詳細言っちゃうから
相手に身構えられちゃっていっつもいい勝負しちゃってるのよ
本来の実力の高さでカバーしてるから勝ってるけど
相手からしたらちょっとした戦闘狂みたいになっちゃって
と言う訳なので一回のボス戦が長いのです』
アメちゃんと共に休憩に行こうと椅子から立ち上がりモニターをふと見ると
魔王相手にも楽しそうにガチャガチャやってる勇者朝陽が目に入る
『がんばってね』
一言残して私はいざティールームへ!!
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます