女神界
女神界
次元の狭間に浮かぶたくさんの島々からなり
緑豊か、木漏れ日がふりそそぐ理想郷のような世界
それが魔王様の記憶に残る懐かしい女神界の姿
扉を出た魔王様が昔の記憶から
豊かな大地を懐かしむはずだった
『な、なんだこれ
攻撃を受けた?のか??』
ありえない、そう言葉に出そうになったが
女神アクアからの
『そうよ
油断なんてものではなく
想像もしていなかったのよ
攻撃を受ける事自体ね』
その言葉をうけて唖然とする魔王様
『そして、今、まだ継続中なのよ』
アクアの言葉に一瞬身構える魔王様
が、敵の姿は見えない
きょろきょろしてる魔王様
アクアが続けて言う
『一旦は退いたように見えるんだけど
ここからもっと下の島にゲートを
開けられたままになってる
そこから侵入されたの
いきなりの攻撃を受けたもんだから
混乱が生じて反撃もままならず
守る事で精一杯だったの
幸い死者は出てないけど
怪我人多数よ
その混乱に生じてあなたを召喚したのよ
今なら女神界の力を勝手に使っても
バレないかな〜なんて思ってね、フフ』
クスッと笑うアクア
『勝手にって
勇者朝陽が魔王を倒して力を溜めたんじゃないのか?』
勇者が魔王を倒す為の旅
様々な時間軸、平行世界、異界、異世界で
それぞれの勇者が存在し冒険が行われている
女神が召喚させた勇者が旅の道中
人助けや様々な善行により
感謝され、幸福度が増す
そして信仰心も高まる
そういった思いをエネルギーにして
女神界が、女神自身がなりたっている
そのエネルギーを蓄積の一部を使って
勇者の召喚や帰還が行われる
そう女神界の存続が勇者の善行により
保たれていると言っても過言ではない
人類もまた勇者により一時的にでも
世界が平和になる
持ちつ持たれつではあるのだが
たまにいろいろやりすぎた事例もなくはない
『まだよ
あなたの後に私が、
私が準備した仮の魔王は
何者かによって襲撃され
倒された
勇者朝陽もその何者かによって
ダンジョンに幽閉されてしまったの
その後世界への侵略が始まって
勇者朝陽の捜索をお願いしたら
そのワープホールを利用されてしまって
今に至るよ』
アクアが現状の説明をしている途中で
魔王様はこみ上げてくる笑を抑えられなくなり
『あは、あははは
ワハハハハハハハハハ
ザマァみろ
いつも安全圏から見下ろして
偉そうにしてやがるから
いい気味だ』
お腹を抱えて笑う魔王様
それを横目で見ながら
ため息つきつつ女神アクアが
魔王様に真実をつげる
『あなたならそう言うわよね
わかってはいるけど
あ、ちなみにあなたの魔界も居城も
その何者かによって襲撃されているわよ
無事でいるといいわね、あなたの部下達』
とアクアがちょっとニヤけながら
意地悪な顔で魔王様を見る
『んなっ!?
なっなんで???
女神を敵視してるんじゃないのか?
なんで私の家まで〜〜〜??』
と言ってアクアに詰め寄る
『知らないわよ
そいつが何を考えているのか
目的も分からないんだから
とりあえず早く私の家へ
あなたを元に戻すのが先決よ
急いで!!!』
アクアに急かされ走りながら
女神界でも一番の上の島に立つ
大きな屋敷が目に入る
嫌な過去が思い出される魔王様
続く
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