君は天使11

現在の状況

天使の攻撃をギリでかわしながら説得を

続けてきた優美の父、足がもつれ倒れている

そこにトドメを刺そうと天使が神力での光弾を放つ直前

父を庇う優美が座りこみながら両手を広げて父を守る

更にその2人を守るかのように大地が両手を広げて

震える足をこらえつつ2人の前に立つ

少し遠くの物陰からこっそり様子をうかがいつつ

アニメに見られるようなシーンを見て感動してる魔王様と

呆然としてる朝比奈先輩


 私も一度は守られてみたい


そんな妄想を一瞬頭がよぎる魔王様

女子とはいえ魔王として君臨してると

あんな風に守られるシチュエーションは

ちょっと憧れていた訳で

一瞬夢の中に入った魔王様だったが


 『っと変な妄想してる場合じゃなかった

 先輩!ここから絶対に動かないでくださいね!!』


そう言って朝比奈先輩に注意喚起をして

安全をと思ったのだが

朝比奈先輩の反応がなかった


 『先輩?朝比奈先輩??』


と魔王様が朝比奈先輩の方を見ると

呆然としているというか意識がこちらに

ないというか・・・


 『先輩!?』


と強く呼びかけた瞬間


 『え?何?どうしたの??』


と現実に戻ってきたようだった


 普通の人には刺激が強すぎたのかな?

 1人残すのは危険かな


と魔王様は思ったのだが


 『ちょっとここで待っててください

 絶対動かないでくださいね!!!』


と言うと

 

 『え?あ?え??』


と朝比奈先輩の返答を待たずして

工事現場に置かれていた鉄パイプを持ち

今まさに光弾を3人に向けて放とうとしている

天使の顔に向けて投げつける


 『邪魔だどけ人間!!

 お前も一緒に死にたいのか!!』


天使が大地に向かって叫ぶ


 『いやだ!何がどうなってるのか分からないが

 彼女の父と母が愛し合って彼女が生まれたのは

 彼女の人柄を見ればわかる!

 両親の愛を受けて生まれている

 それを否定してあげないでください!!』


大地が必死に思いを言葉にした事に

逆上する天使


 『わかったような事を言うな!!!』


ブチギレした天使が我を失い光弾を放つ瞬間

鉄パイプがクルクル回り飛んできた事に気が付く

普段ならなんなく弾き飛ばすのだが

目の前の事に気を取られていた為

突然飛んできた鉄パイプに思わず

身を仰け反らしてかわした為

光弾は放たれずに鉄パイプの飛んできた方に

天使が視線を向けた瞬間

両手で鉄パイプを持った魔王様が

天使に飛びかかって来ていた

鉄パイプを持って高くジャンプし

上から大きく振りかぶり

天使に向けて全力で振り下ろす


 『おらぁ〜〜〜〜!!!』


天使は先ほどの鉄パイプをかわそうとした為

体勢を崩していた

魔王様の攻撃が当たる瞬間

小結界を張って防御壁を作る


キーンという金属音と共に

弾き飛ばされる魔王様と鉄パイプ


すっ飛ばされ地面に転がる魔王様


 『誰だお前は…』


意外と冷静に魔王様を見つめる天使


 『通りすがりの魔王です』


ひっくり返った状態で半笑いで答える魔王様


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る