君は天使⑩
天使の気配を感じ危険をかえりみず
結界の中に飛び込み様子を伺うと
やりあってるのは知らないおっさんだった事に
表紙抜けしたので帰ろうとした時、朝比奈先輩が
『ね!あれ、あれって大地くんと
あっちにいるのって優美ちゃんじゃない?』
と先輩が指差している方向に視線を向けると
『大地ですね…』
びびって腰を抜かしている大地がいた
何巻き込まれてんだあいつ
優美さんも?
小さな結界に閉じ込められているのか?
何がどうなってるんだ???
あのおっさんは何もんだ?
魔王様と朝比奈先輩が
現状理解できずに呆然としてる中
優美の父イアンと天使が白熱したバトルを
繰り広げている
その最中イアンが天使を説得するかのように
話かけている
『ちょっ、ちょっと待ってくれ!!!
話を聞いてくれ』
天使の攻撃をさけつつ
イアンが天使に話かける
『お前の話など聞く必要もない
私は罰をうけようとも
お前を殺して親友の仇をうつ』
聞く耳を持たない天使
『仇って誤解なんだ
私達はちゃんと愛し合っていた!』
イアンが必死に訴える
『なにをいけシャアシャアと
魔の血を引くお前とだと?
私の幼なじみで親友のあの子アウリが
お前なんかを好きになる訳ないだろう!
アウリは子供の頃から優秀で
天使の中でも飛び抜けて
才能が高かった
女神候補生として選ばれて
研修の為、地球に来てお前に捕まって
利用され、最後は最後は………』
怒りの感情が込み上げてきて
拳を握りしめワナワナと震える天使
『違う、違うんだ!
捕まえたとかそんなんじゃなく
出会った結果だ
そして優美が生まれた
頼む、その子をかえしてくれ
アウリが残してくれた唯一の宝なんだ』
イアンが天使に訴えかける
『うるさい!!お前がアウリの名前を口にするな!
なぁにこの娘に危害は加えないよ
お前さえ死んでくれればな』
そう言うと天使はイアンに向けて
光弾を放とうとした
イアンは自分が死ねばという思いで
覚悟を決めたように歯をくしばり
その場に足を止め天使をまっすぐ見つめた
優美は天使の作った小結界に閉じ込められており
身動きがとれない状態だった
現状天使と父の会話も理解できてないが
父親に危険が迫っているのだけは
理解できた
『やめて〜〜〜!!』
その声と共に結界が破壊された
優美にも何が起きたかわからなかったが
自由に動けるようになった瞬間
父親の元にかけより両手を広げて立ちはだかる
光弾を構えていた天使が一瞬躊躇する
『そこをどきなさい!』
天使が叫ぶ
『嫌です!!
何がなんだか分からないけど
私はお母さんの事は記憶にないけど
父は母を愛していました
それだけは分かります
あなたがそれを否定する権利はありません!!』
優美が天使に向かって返すように叫ぶ
またしても愛と言う言葉を聞き
怒りが込み上げる天使
『もういい、2人とも消えてしまえばいい』
そう言い光弾を構えた手のひらを優美達に向ける
光弾が更に光を増した瞬間
優美達の前に大地が両手を広げて立ち塞がる
おお〜大地のやつやるな
なんかよく見るアニメみたいだ
ちょっと遠くから覗き見していた魔王様はそう思った
続く
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