君は天使⑥

早坂優美が警察に駆け込んだのを

上空から怪しい眺める人影というか

天使の姿があった


 『少し驚かせてしまったみたい

 なるべく優しく話かけたつもりだったのだけど

 でも彼女で間違いないのは顔を見て分かった

 家に帰るまでこのまま様子を見ていれば

 奴も現れるかもしれないわね』


天使は遙か上空から彼女を監視しているようだった


早坂が警察で事情を話した所

家まで警察官がつきそってくれた


 『すいません、ありがとうございました』

 

家の近くで警察にお礼を言う早坂


 『いえいえ、念の為、周辺パトロールして帰りますね』


警察との会話を終え、家に入る早坂


 『あ〜怖かったな〜今日楽しかったのに

 最後に凄い怖い思いをしてしまった

 う〜〜なんか悔やまれる

 良い1日で終わりたかったのに〜

 こんな日に限ってお父さんは夜勤だから

 夜一人じゃん』


玄関でうずくまって独り言を言う早坂

家に入ってしまえばという安心感もあるが

恐怖体験をした為

安心と共に力が抜けて座り込んでいた


 『はぁ〜

 お父さんに連絡したいけど仕事中だし

 明日帰って来てからでいいかな

 夏の定番恐怖体験だったな

 いつかホラー話の経験談として

 ネタにできるかな』


少し落ち着きを取り戻し

窓のカーテンを少しだけ開けて

恐る恐る外を見てみるが

怪しい人影は誰も見当たらなかった

やっと平常心がやってきた


 『そうだった、大地さんに帰宅した連絡だけしておこう』


次の日


魔王様が会社につくなり

いきなり抱きつかれた


 『おお〜朝陽〜聞いてくれよ〜〜』


と背後からタックルときめられる


 『きゃ〜〜〜〜〜』


思わず地声が出てしまった


 『なんだよ、その驚き方?わざとか?』


抱きついて来た相手は大地だった


 『な、急になんだよ』


抱きついていた大地を手で押し返す魔王様


 『いや〜昨日のデートの話なんだが…』


と大地が切り出して来たのだが


 『フラれましたか?』


ニヤニヤしながら返す魔王様


 『違うわ!

 ただ、俺が送っていかなかったせいで

 彼女を危険な目に合わせてしまったみたいで

 それがもうほんと悔やまれてならないんだよ〜』


何かあったのかと思い事の詳細を

詳しく聞いていた魔王様

一通り聞き終わり


 ストーカーとかいう奴か?

 人をつけ回して何が面白いんだか

 人間のこういう所が理解できないな


そんな風に考えていたら

前からその早坂がやってきた

大地と何やら話をしている

必死に謝る大地だったが

どうやらしばらく送っていく事になったそうだ

その話を聞いて大地に対して


 お前がストーカーにならなければいいのだがな


そう思う魔王様だった


 その日の仕事終わり


 『ほんとありがとうございます

 大地さん遠回りになってしまうのに

 申し訳ないです』


早坂を護衛しつつ家まで送っていく大地

周りを最大限に警戒しつつ歩いている

昨日自分と食事した事で帰りが遅くなり

危ない目に合わせてしまった事を

酷く後悔していた


 『おれが、オレが守るからね』


命を投げ出す覚悟である大地


 『あはは、ありがとうございます

 もうそこの角曲がった所なので

 警戒態勢といてもらっていいですよ、ふふふ』


早坂の家の近くまで来た時だった

後ろから声をかけられた


 『お、優美、今帰りか?』


警戒態勢の大地が振り向き

牙を向く


 『あ、お父さんただいま』


と早坂が答えた事により

牙を折られた大地が固まる


 『お、オトウサマ』


早坂の父親だった

大地にとってストーカーよりも

強敵が現れてしまった


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る