幼馴染以外の子に触れちゃダメ。私のそばから離れないでっ!ぎゅーってして
高校二年生の緋乃春彩(あかのはるや)はある日記憶喪失になってしまい、何もわからなくなりアホになってしまった。その原因は歩道橋から落ちてしまったことだと教えられていた。
春彩の幼馴染の白詰茉莉(しろつめまり)は、記憶を失う前の春彩とある“約束”をしていた。記憶を失ってしまった春彩の記憶が戻ることを切に願うとともに、春彩に寄り添い、「一人では危険だよっ」とどこに行くにも、学校でも、家でも一緒。
記憶喪失になって、春彩が恋に落ちた人物が、通称歌姫の碧川紅音(あおかわあかね)。シンガーソングライターである彼女がニューチューブに新曲を上げれば、再生回数は、400万回を超えるほど。そんな彼女は、ダンスグループ『BLAZE distance』の元リーダー『心夜(しんや)』にご執心。心夜はある日を境に、世間から姿を消してしまった。ダンスステージから落ちて療養中だと囁かれていた。心夜の復活を望む世間のご多分に漏れず、紅音も毎日、心夜の映るクリアファイルを眺めては嘆息する日々を送っていた。
誰にでも優しい人気者の茉莉が珍しく毒を吐いた。
「絶対に渡さないからっ」
誰にでも冷たいけど人気者の紅音がデレた。
「し、仕方ないから、一緒にいてあげるんだからっ」
少しずつ記憶が戻る緋乃春彩と二人の女子が織りなすドタバタラブコメ、ここに開幕っ!