第50話「謎の質問攻め」


 「どうしたんですか?松坂くん。もうすぐ練習始まりますよ?」

 「ん? あぁ山岸さんか。いやちょっと.......」

 

 って、そういえば確か彼女は隣のクラスだった気が.......

 ということは安藤くんと同じクラス?


 「ねぇ、ちょっとだけ今時間とれたりするかな?」

 「え、は、はい! 大丈夫です。 何でしょう。萌香で力になれることなら何でも言ってください! 萌香、頑張りますよ!」


 よくわからない......


 「い、いやそこまでのことはないんだけれども......。とりあえず安藤君って普段どういう子?」

 「え? 安藤くん? 安藤智あんどうさとし君のことですか?」

 「うん」


 どういうことだこれ......


 「ん~、まぁ大人しい子ですかね。優しそうな子ですよ。良い意味で超普通の子です」

 「そ、そうだよな」


 ふ、普通だったよ.....な

 でも、さっきようやく返事が返ってきて、そのまま現在進行形でやりとりをしているけれど、ちょっとこれは.....


 な、何だ......


 お、俺が目指している所?

 具体的な将来設計を教えて?

 今まで付き合った人の数?

 子供は好き?

 等、他にも色々と......


 お、俺は普通に家に友達を呼ぼうとしているだけなんだけど......

 何でこんなことを矢継ぎ早に?

 

 べ、別に答えろって言うなら答えるけど

 そこまで深く彼を知らないだけにちょっと怖い......


 「ん? どうしました? 安藤くんと何かあったんですか?」

 「い、いやまぁ.....」


 まだ実際にはないけれど、下手をするとこれは......


 「これ見て......」

 「へ? lineですか?」

 「うん。何かすごくない?」


 言っては悪いけど、やっぱり怖いだろ.....

 これ。


 「う、た、確かに。どうしたんですかこれ?」

 「いや、この前にちょっとアニメイトで彼と仲良くなってさ。家に誘ったらこれだよ。ちょっと正直意味がわからない......」

 「ほ、本当ですね。って、今もまた新しい質問が......」


 安藤くん......

 君は一体何を.......


 「.......」


 って、いや、ちょっと待てよ!?

 も、もしかして、アニメの名セリフで返せ的な謎かけ?

 そっち?

 と言うことは、俺は試されているの......か?


 そ、それならば話しは別だぞ。

 くっ......ぬかった。

 

 何で、何で気が付かなかった俺?

 でも、一体どのアニメの......


 「あ、で、電話です!安藤くんから電話ですよ!松坂くん!」


 え? 電話?


 「わ、わかった。とりあえずスマホを返し......え?」


 お、おお.....何で


 「あ、あ、ついとっちゃった。はい!萌香です......じゃなくて松坂です!」


 ま、まぁ安藤くんだし問題ないか。

 とりあえず代わ


 「え? あれ? 安藤君じゃない? だ、誰ですか? え? 女の人?」


 え?

 安藤くんじゃない......?


 どういうこと? 


 女の......人?




 

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