第14話「松坂陽介②」


 「おいお前、俺の分もそれ片付けとけ」

 「はぁ? 何で俺がお前に命令されなきゃならねぇんだよ」

 「あ゛ぁ? 雑魚なんだからそんぐらいしとけよ。カス」


 ウダウダうるせぇなぁ。


 「テメェ、ちょっと強いからってマジで調子乗りすぎじゃねぇか?おい!」

 「あ? ちょっとじゃなくて超強いから。やっぱ雑魚だわお前、見る目すらねぇ」

 「殺す! ちょっと待てや、コラッ!!! おい待てや! 松坂ああ!!!!」


 ったく雑魚カスは本当に困るぜ。

 すぐ吠えやがる。それしか能がないのかよ。

 ちょっとぐらい役に立てや。弱ぇんだから

 しかも知らない間に玲奈は帰ってやがるし。舐めてんのかよ。

 

 ふっ、でもまぁ今日の昼はかなり楽しませてもらったけどな。

 思いだしても笑っちまうぜ。

 愛梨、可愛すぎだろ。


 あんなに甘ったるい声で俺に媚びてきやがってよぉ

 アレ、俺のこと狙ってんじゃね。いや絶対狙ってんだろ

 まぁ将来はプロ確実って言われてる俺だし、わからなくは全然ねぇけど。

 でもモテすぎる男もほんと、困ったもんだよなぁ。

 芸能人までが俺のこと好きなんだから。


 ふっ、しかも焦らしてきやがってよぉ

 LINEの交換はまた今度? 

 俺に駆け引きなんていらねぇんだって。

 並みの男ならその駆け引きにさらにメロメロになっちまうんだろうけど、俺はあの百選錬磨の松坂陽介様だぜ。

 今度は俺が焦らしてやるっつーの。


 それにしてもマジで良かったな。

 へっ、顔も身体もよぉ


 でも、玲奈にもそろそろ本格的に危機感持ってもらわねぇとな。

 何をモタモタしてやがんだ。

 俺もマジでいつまでも待ってはいられないぞ。

 本当は俺のこと好きで好きでたまらねぇ癖に。

 ほんとあいつは昔からそー言うとこあるよな。

 素直じゃねぇ。

 このままなら真剣に俺のこと取られちまうぞ、愛梨に。


 一体何を考えているんだ。あいつは。

 今日みたいな日こそ俺に媚びてこないといけないくせに。勝手に早く帰りやがって。

 いや、嫉妬か? 愛梨に嫉妬して怒って帰っちまったのか?

 ったく、やっぱ結局可愛いんだよなぁ玲奈もよ。

 しゃあねぇ明日フォロー入れといてやるか。


 でも、今考えたら二人一緒にってのも悪くないな。 

 俺ほどのスターなら全然ありだろ。

 やっぱ男は甲斐性がないとな。

 へっ、ハーレムか。悪くねぇ。

 く~ただ、それは今の日本が許してくれねぇしなー。

 どっちにすっかなー。マジで。


 まぁとりあえずクソかったるい練習は終わったし。

 今日はどの女と遊ぼっかな。


 ったく本当にモテる男はつらいぜ。

 そこら辺の雑魚どもと違ってなー、ハッハッハッハッ


  



  


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