第11話「結果」
「あ゛あああああ!!!!!!なんで、なんで、こうなんるんだよお゛おおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
「あ、あ、あう、あう、あ゛、あう、あう」
ま、またかよ。何してんだよ.......。
こいつらは何でまともに登場ができないんだ、おい。
また引きずられて来てんじゃねえか。しかも今度は朝から。
昨日、聖徳相手に活躍した奴らと同一人物だとはどう考えても思えないぞ。
いや、本当に何だよこれ。
「おはよう。昨日は皆お疲れだったな。私も色々とお前らのことを知ることができたし良かったよ。正直に言えば、まだまだ荒すぎるし言いたいことも山ほどあるが、可能性は大いにあるチームだとは思う。特に「うあ゛ああああああ!!!!!帰らせろ!帰らせろ!帰らせろおおおおおお!!!!! 体罰だ! これは生徒の意思を無視した体罰です!!! 助けてください教育委員会さあああああああん!!!!」
「あ、あ、あう、あう、あ゛、あう、あう」
もう言葉がでて来ねぇ
新顧問の両手が常に騒がしすぎる。
「「ヒッ.......!」」
常に周りよりも目立った存在でいたいと生きてきた俺だが、正直こいつ等には勝てる気がしねぇ。
というか、こいつ等にだけは絶対に勝ちたくねぇ。
「まぁ、とりあえず新体制として頑張っていこう。な、松坂と田辺。そして皆」
そんで本当にその笑顔は怖ぇよ....。新顧問
「ん? なんだ仲居、何か私に言いたいことでもあるのか?」
「い、いえ......」
あ、あ、無理無理。絶対無理
す、すごく綺麗な笑顔です.......。
「くっ.....嘘だろ。何であんな朝早くから家まで、何で家まで。親父もまんまと騙されやがって......。くそぉ......。」
「あ、あ、あう、あう、あ゛、あう、あう、何で家......」
んで、な、何か物騒な言葉が聞こえてくるが無視、無視だ。
かまったら負け、こいらにかまったら負けだ。
平常心、平常心だ俺
でも、松坂はまだまだわからねぇことしかないが田辺、こいつがまさかあの田辺だったとは驚かされたぜ。
あの頃の原型も何もかもありやしねぇから気づけなかった。
———消えた天才、田辺舜太――——
確か、俺がこいつのことを知ったのは小学校高学年の頃。
『甘いマスクのフィールドの魔術師』
あの頃は急に、あの松坂に並ぶ、い、いやそれ以上の天才が現れたと県内でもかなりの噂になっていた気がする。
でも、中学に入った途端、嘘みたいにこいつの噂を聞くことがなくなった。
当時はあろうことか事故で引退説や死亡説まで流れたほど。
でも、そ、それが今、こんな形で大人の女の左手でブルブルと震えながらブツブツと.......。
「ま、まさか.......。ぶいかつオールスターズ初回限定版プレミアムエディション(ピーチちゃんフィギュア同梱版)DVDが人質に取られるなんて......。ま、松坂殿
。自分はもう......」
ほ、本当にこの天パで眼鏡のデブが、基本何を言っているかわからねぇデブが、あの数々の女たちからキャーキャーいわれていた魔術師田辺......なのか。
でも昨日のこいつのあの足技はやっぱり......。
マ、マジで変わりすぎだろこいつ......。
どう考えても別人だろ。容姿から何から何まで......。
普通にしてて分かるわけねええええだろ
「よし!田辺。お前はまずは走ってこい。あまりにもお前はスタミナが足りなさすぎる。ほら、行ってこい」
「い、いや、深田殿....。それは.....」
「あ゛ぁ?」
「は、はいぃ~~~~。すぐに、すぐに行って参りますです~~~~」
「くっ、ふっ、ふふっ、ふっ」
あと、さっきから俺の隣でくすくすと笑っている喜屋武。
こいつも何者だ.......?
い、いやもしかしたらこいつが一番謎かも知れねぇ。
本当に昨日のあれは何だ。
途中までマジでぶん殴ってやろうかってぐらい何もせずにボーっと空気だった癖に松坂と田辺、こいつ等が交代で入ってきた途端に急に.......。
へっ、やべぇ。ほぼほぼ変な奴しかいねぇ。
変な奴しかいねぇけど、でも、血が、俺の血が、まるで沸騰するように熱くなってきやがった。
面白ぇ、面白ぇぞ.......。三峰。
悪くねぇ。悪くねぇかもしれねぇぞ。
三峰。
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