第31話「探り合い」

 

 ふふ、とりあえず今日の仕事は終わりっと。

 けど、やっぱりまだ帰ってはくれない様ね。


 「フフッ、ウソよ。ワヨネ。ダッテあんなにカレのことホメテたんだもの。アイリ、ウソはダメよ。ウソはネ」

 「えーっと、私の動画を見てくれたんですね!ふふっありがとうございます!嬉しー!」


 ”前言撤回”


 この女、やっぱり一変たりとも気を抜けないわね。


 そして洋介くんは予想どおり、本当に今まで海外で......

 ふふふっ、しかもブラジル。それにこんなS級の美女が

 面白い。面白すぎるわよ。松坂洋介


 「すみませーん。勘違いしていました! 知ってますよー!」

 「ヘェーカンチガイ。まぁイイワ。フッ、トリアエズシッテイルジョウホウスベテオシエテくれるかしら。ヨウスケはどこ? このままシラをきりツヅケルならこっちにもカンガエがあるわよ」

 「うわー、難しい言葉知ってるんですねー。すっごーい♪」


 ふふ、知っている情報ねぇ。

 そういうことか。それが本当の目的。

 それにようやく素の部分を現したわね。

 自慢じゃないけど、猫かぶりなら私も負けてないわよ。ふふっ


 でも、ますます面白い。彼女ほどの女性にそこまで。

 ま、そんなのかまなんてかけて来れなくても聞いてくれればすぐに教えてあげるけどね。

 ふっ、君の情報ね。


 「教えて欲しいですか♪」

 「モチロンよ」

 「じゃあ愛梨も色々と教えて欲しいなー」

 「フフ、ナニ? ベツニいいワよ」


 まぁ、ただではさすがにね。


 「ふふ、洋介くんとタニ―さんってどういう関係なんですか?」

 「ン、まぁフカイかんけいね。すくなくともアイリ、あなたヨリはね。フフッ」

 「へぇー」


 へぇー、深い関係ねー。

 「そのわりには何も今の彼のことはしらないんですね♪」


 「ソ、ソレはその、アレよ。アレ、クッ.....」

 「........」


 ふっ、雰囲気の割には意外とわかりやすいのね。この人。

 すぐに表情が。ま、そういうことね。

 ちょっと安心

 

 「じゃあ最後にもう一つだけいいですか♪」

 「ナ、ナ二」


 「洋介くんってあっちでどれぐらい活躍したんですか?」

 「え? ヨウスケがあっちで?」

 「はい。それを教えてくれたらすぐにでも答えますよ。ふふ、君の居場所をね♪」

 「フーン、ま、ソレぐらいならイイケドね」

 「ありがとうございまーす!」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇  



 「――――――――――ね。あのときのヨウスケはホントかっこよかったワ」


 「へ、へぇー、すっごいー」

 「アタリマエよ。ヨウスケだもの」


 お、お、思ってたよりすごい。

 普通にすごい。

 やばっ、ますますやばい。

 面白すぎてどうにかなっちゃいそう。


 「サ、オシエタわよ!さあヨウスケのイバショをオシエテ。さすがにノーとはイワセナイわよ。もしノーなら......」

 「ふふ、もちろんです!わかってますよ!」


 ちゃーんと教えてあげます!




 「今、くんは――――高校って言うところでサッカーをしていますよ!」





 


  

 

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