第48話「A.S」
結局なんだったんだ。玲奈たち
しかも晩御飯までうちで食べて行って.......
あと、半ば強引に押し切られた形になって首を縦にふってしまったけど
俺、明日から玲奈と駅まで一緒に登校することになったのか?
いや、別に俺的には問題はないんだけど
あいつ的にいいのか.......? 彼氏いるのに。
ま、まぁ、昔も一緒に登校はしていたし、それぐらいならいいのか。
わからんけど。
というか、そもそも何でまた一緒に?
「.......」
それと、これさっき見つけて気になっていたんだけど。
なんだっけ......
財布の中に挟まっていた、LINEのIDらしきものが記載されたメモ書きの切れ端.......
多分、俺がここにしまったんだろうけど.......
全然覚えがない。
入学当時に何人かとLINE交換のやりとりをした記憶があるから、その時のか?
それ以外にどこかでこういうものをもらう機会って.......うーん、ないよな。
何かを思い出しそうな気もするんだけど、やっぱり思いだせない。
と、とりあえずまぁ、もらったことに違いはないはずだし、登録だけはしておくか
誰のかわかるかもしれないしな。
ポチポチっと。
ん? 【A.S】って誰だ。
イニシャル?だよな.....
エー、エス.......
あ、安藤くん!?
隣クラスの
そういえば、この前に田辺くんとアニメイトに行ったときにばったり出くわして盛り上がって.......
そ、その時なら確かに可能性はある。普通にある。
というか、それぐらいしかもうない気がする。
それにこの可愛い犬のアイコン。
お、思いだした。
安藤くんあの時に飼っている犬の話してた.......。
そうだ。モフモフアニメの話で盛り上がったんだ。
やっぱりこれ安藤くんだ。
申し訳ないことしたな。早く返信しないと。
『すみません。松坂洋介です。連絡が遅くなって申し訳がございません。機会があれば今度また一緒にどこかに行きたいです。これからも宜しくお願いします』
同級生なのにちょっと改まりすぎか?
いや、でも登録するの遅れたし、まだそこまで親密な関係にもなれてない気もするしな。
これぐらいでいいか。
送信っと。
ふっ、あわよくば彼も我がアニメ同好会に。
彼なら全然OK。
ん?
って、早っ
安藤くん返信はやっ!
早すぎない?
『もう、待ちくたびれておかしくなりそうでした! 本当にずっと待ってたんですよ! そして洋介くんからのお誘いすっごーく嬉しーです! ぜひぜひ! どこに行きますか! というか、いつにしますか! 洋介くんの誘いであればいつでもどこでもOKです! 何とかします! さあ、いつにしますか? 」
え、あ、安藤君.....
そんなに俺のことを待って......?
そ、それは悪いことした。したとは思うけど.......
え? 俺、あの時にそんなに気にいってもらえてたの?
俺の誘いならいつでもどこでもOK......
う、嬉しいけど え?
いや嬉しいけど.....あの短時間で?
そ、それに、すごいな......。
見かけによらず元気な文章。
というか、絵文字なんか使うんだ。安藤くん......
すごいギャップ。
こ、これなら普通にアニメ愛好会に入ってくれる様な気が......
それにしても安藤君。
そこまで僕に心を開いて........
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