第35話「謎の美女」
「おいおい、なに殴られてんだよ。松坂。ふっ、思いっきりあのブロンド美女にボコられてたじゃねぇか。一体なにをやらかしたらああなるんだよ」
「そうだよ。お前のファンじゃなかったのかよ」
「あ? 黙れ、殺すぞ」
「まぁまぁ、落ち着けってそういう時もあるって、な」
「へっ、ざまぁねぇぜ」
「あ゛ぁ? 今誰が言ったコラァ!!!!!出てこいオラァ!!!」
最悪、また物に当たって。いや、人にもか.......
気に入らないことがあったらすぐに癇癪を起す。
昔から何も変わらない.......。
本当に何で私がこんな奴に.......
「クソがッ、何だよあの女、俺が松坂陽介じゃない? 意味わかんねぇ。頭湧いてんのかよ。カスビッチがよお!!!!!!」
でも、本当に何があったんだろう?
いきなりビンタされかと思ったら蹴りを入れられて、女の子はそのまますぐに帰って行くし、確かに意味がわからない。いや、意味はわかるけどわからない。
別に相手がこいつだから全く問題はないんだけど不思議。
不思議すぎる。一体何が.......
「覚えとけよ。あのクソ女ぁ。後から後悔しても許さねぇ。絶対に許さねぇ。俺以外にサッカーができる松坂陽介なんてどう考えたっていないだろうがよお!!!! 外国の女とは言え、あんな話しが全く通じねぇ奴は初めてだクソッ!!!!!!!」
でも、こいつが松坂陽介じゃない.......?
どういうこと?
ここに松阪陽介はこいつしかい.....っ !?
「ちょっと顔がいいからって調子乗ってんじゃねぇぞ。クソアマが。あー、本当に思いだしてもイラつくぜ!!!」
い、いや、違う。
あくまでここにはいないけど......
でも、そんな.......
い、いや、外国........。
も、もしかして、いや、もしかしなくても
やっぱりあいつ.......
「おい、玲奈!良かったな。お前、一人ライバル候補が減ったぜ。後からあいつがどれだけ俺に縋り付いて来ようとも絶対に許さねぇからよお。助かったな」
昨日のあのメダルもそう考えたらやっぱり辻褄があう......
「おい、玲奈!」
まさかあいつは本当にあっちで........
正直にわかには信じられないけど、そう考える他はもう
「おい!聞いてんのか玲奈!」
そ、そう言えば三峰って今週の日曜日にまた.....
「チッ、糞が」
そ、そうよ。それが一番はやいわよ。
むしろそれしかない。
でも、さっきのあの美女はなら一体........
そ、それに今思いだしたけど、昨日の佐竹愛梨のあの松坂って、も、もしかして.......
え?
い、一体、何が起こっているの......?
何が........
どういう.....こと?
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