第45話「松坂世代」


 「ねぇ昨日の、ほんとすごかったね」

 「うん、超強かったー。3点も決めてたじゃん」


 「へっ、まぁアレぐらいの雑魚が相手なら寝てても勝てるからな。てか、サッカーやったことのないお前らでも勝てるんじゃねぇか?」


 本当にあんな雑魚ども、俺様が相手するまでもなかったから。

 面白くも何ともねぇ只の糞試合。あんな必死になってアレって。

 時間の無駄すぎ。あいつ等もうサッカー辞めた方がいいだろ、普通に。

 

 「えーマジー? それヤバすぎでしょー。てか、3点決めることをサッカーで何て言うんだっけ? ハンドトリックとかだったけー? てかどこ触ってんのよー。もーう」


 「ハッ、いいじゃねぇか。それに違う違う、ハットトリックな。俺と遊びてぇならそれぐらい勉強しとけ。ってかお前ら、いまさらだけど彼氏いるんだろ? いいのかよ? ま、別に俺はいいけどよ! ハッハッハ!!!」


 「えー? だっての方がかっこいいんだもーん」

 「そうそう。それに今の彼氏にも既に飽きてきちゃったしー」

 「それなー。しかもって、超有望じゃん。ねぇねぇ真剣に私とかどうー?」

 「あーずっるーい。アタシがの彼女になりたーい」


 ったく、こいつ等は


 「まぁ、確かに俺は超有望。さらに言えばもうプロであっても即戦力レベルだ。逆に言えばそれがどういう意味かわかるか?」

 

 「「え?どういうことー?」」


 「ふっ、モテすぎてやべぇってことだよ」


 わかんだろ? いくらバカなお前らでもそれぐらい。


 「今や、芸能人にも目をつけられている俺だぜ、まぁお前等でもギリギリ愛人にしてやってもいいぜ。ギリギリな」

 「えー? ギリギリー? まぁ将来のサッカー選手ならそれもいいかもー」

 「確かにー。アリかもー」


 ふっ、聞いたかよ玲奈。

 普通の女ならこういう反応なんだよ。


 なのにお前は今日も何で電話に出ねぇ?

 というか、ついさっきなんて出たと思ったらコンマ1秒で切りやがったよな。

 チッ、一体何をしているんだよ。

 既読も無視。

 本当にバカかよ。 何度も言うがこの俺だぜ?


 「てか芸能人って誰ー? アタシ等とどっちが可愛い?」

 「どっちー?」


 あ? そんなの愛梨に決まってんだろ。

 てか、愛梨は愛梨で何で昨日試合に来なかったんだよ.......

 俺の超スゲーとこ見に来るんじゃなかったのかよ

 youtubeであんなに言ってたじゃねぇかよ。俺のこと好きって。

 あんなに媚びに媚びた顔でよぉ。

 昨日は仕事が入っちまったとかか?


 ったく、どっちにしろ調子狂うぜ。


 今週はあんなこともあったしよぉ

 思いだしたらまた頬が痛んできたぜ。

 あの外国人女.......。

 マジで何だったんだよ。


 「ねぇ、今からカラオケいかなーい?」

 「あ、いいねぇ。いこいこ! 今日もオールしちゃおうよー! ね!陽介ー」


 ま、何だかんだであいつ等も時間の問題か......

 なんせ、一流の男の周りには一流の女が引き寄せられる。

 これは自然の摂理だからな。類は友を呼ぶって奴か?


 「あぁ、いいぜ。ってか、今日は寝かさねぇぜ! はっはっはっは!!!」


 どうせ1年後か2年後にはもう俺は高校サッカー界の頂点にいるんだ。

 はぁ.....仕方がないから長い目で待ってやるか。

 

 へっ、俺らの年代が俺を頂点をした松坂世代と呼ばれ、将来のサッカー界を蹂躙する姿が目に浮かぶぜ。

 そして俺は後世に日本サッカー界の神として騙りつがれるってか?はっはっは!!!マジで笑いが止まらねぇ

 もうこれ、ワールドカップ優勝とかもいけんじゃね?

 やべぇ、やべぇよ。すごすぎるぜ松坂世代



 一流の女も引っ張りだこ間違いなし!



 ま、松坂世代にもはいるけどな......。


 そう言えば、松坂世代と言ったらあいつ等はどこの高校に行ったんだっけか?

 てっきりあいつ等もこっちに来るんだと思ってたんだけどな。 

 どこ行った。達は。


 ふっ、あいつ等とは割と気があったし、高校でも一緒にプレーしてやっても良かったんだけどな。


 何だかんだで雑魚ではないけど、俺よりもちょうど良いぐらいに弱かったしよ。

 へっ、ちょうど邪魔にならないレベルの俺の引き立て役ってやつ?

 あいつ等には致命的な弱点があったしな。


 ま、いないならいないでどうでもいいけどね


 「はっはっはっは!!!」

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