第36話「絶対に負けられない戦い?」

 

 「ぶ、ぶびばせんでびた.......す、すみませんでした。ぼ、ぼう、ばむべむびでぶだだいも、もう勘弁してください.......ぶばだざ深田さまま」

 「ごべぶざさい、ごべんばさいごめんなさい、ごめんなさい.......ぜんぜい先生殿ぼの」

 「ば、ばむでぼぶばでぇな、何で僕までぇ........」


 「せ、せんせい!さ、さすがに、さすがにその辺りでもう勘弁してあげてくださいです!」

 

 ま、松坂くんたちがもう見るも無残な姿に.......。

 グ、グラウンドの中心で、ビクッビクッビクッって震えながら転がって......

 顔が、顔がもうすごいことに.......

 深田先生との間に本当に、い、一体何が.......


 「おい、お前ら山岸の恩情に感謝しろよ。今日のところは勘弁してやる。今日のところはだ!」


 「ば、ばびばどうぼあ、ありがとうございますざいます。べ、べんびばばぎしざ天使山岸さまま~」

 「ば、ばばびしぼや、山岸殿ばんしゃ、ばんしゃですぞ感謝、感謝ですぞ

 「ばびがとありがとうう、ばびばどありがとうう、ばばびしば山岸さんん」


 「ひっ、こ、来ないでください!」

 こ、怖いっ

 申し訳ないけど怖いっ


「まぁでも、私も大人だ。今後のお前らの行いしだいでは許してやらんこともない。お前らと違って大人だからな」


 お、大人......。

 あ、あんなに必死で子供を追いかけてボコボコに........


 「ん? どうした山岸?」

 「ひ、ひぇ? い、いえ大人、大人です! 深田先生は、も、ものすごく大人の女性です!」

 「うん。いい娘だな。山岸はちゃんとわかっている様だ。よしよし。いい娘だ」

 「ひゃい.......」


 大人です......。


 「「「ぼ、ぼぶたちはばびをぶぼ、僕たちは何をすればれば」」」


 そ、そして彼らは過去に例を見ないぐらいに必死です。

 本当に何をしたのでしょうか。

 聞きたいですけど、聞いてしまったら.....ひっ

 聞きません。聞きませんです!


 「そうだなー、確か日曜日にある次の試合の相手は守城高校だったよな。山岸」

 「は、はい!」


 そうです。次の試合はあの守城高校.......。

 昨年、負けはしたものの、あの白鳳に1点しか失点を許さなかったあの......

 鉄壁の守城

 そう......。この辺りでは言わずと知れた強豪校さんです.....。

 あそこもそれなりの人たちが今年も入ったと噂を聞きますし......。

 言っては悪いですけれども、留学生が一人目立つ、先日に私たちが勝った栄徳とはわけがちがいます。

 考えない様にしていましたけど、まさかの2回戦で当たってしまうとは。


 戦う前からこんなことを言いたくはありませんが、さすがに今回は......


 「5点取って勝て!」


 「へ?」

 「ん? どうした山岸」


 い、いや


 「いや、も、守城ですよ......あの守城」

 あの白鳳といい勝負をしたあの.......


 「いや、それがどうした。それはあくまで去年の話だろ」


 いや、そ、そうですけど

 「そうですけど、それでも守城は......。それに5点はさすがに」


 さすがに松坂くん達でも守城は.....。

 それにましてや5点なんて.......


 「山岸、あくまで今回は新人戦だ。それに守城ほどの高校だ。おそらく向こうは本気のメンバーでは来ないし、まだうちを甘く見ているだろう。だから不可能ではないと私は思っているがな」


 「い、いやそうだったとしても」

 それでもさすがに5点は


 「ふっ、それに、そこのそいつは真面目にやってはいるが、まだおそらく余裕があるからな」

 そこのそいつ? よ、余裕......?


 「なぁ松坂、お前、次の試合死ぬ気で点を取りに行け。全てを出し切れ。もしちょっとでも余裕が見えたら......わかるよな。」


 ひっ、さ、殺気?

 も、も、萌香、今、気を、気を失いそうに......?


 な、なんですか、一体先生のこのオーラは本当になんなんですか......

 同じ、同じ、人間ですか?

 こ、怖い。怖すぎです......


 「とりあえず、お前らが許されるノルマは5点。そして相手チームを本気にさせろ。それができればは許してやる。はな」


 ひ、ひとまず......。

 で、でもまだ松坂くんは......余裕がある?

 あれ.....で?


 「わかったかお前ら、とりあえずはあの守城に勝つことに意味がある。三峰が今までとは違うことを周りに思い知らせるにはいい機会だ。死ぬ気でやれ。一歩でも引いてみろ、本当にその時は......」


 そ、その時は........


 「とにかく何が何でも勝て!!!わかったか!!!!!!」

 「「「ば、ばび.は、はい!!!」」」


 「よし、他の皆もそういうことだから。この3バカ達の為にも頑張ろうな。ははっ」


 ひっ、せ、せんせい。

 今、その笑顔は怖いです.....。怖すぎます。

 み、皆震えています......。完膚なきまでに震えています.......。


 「「「「「「は、はい!」」」」」」」



 そ、それにしても松坂くんは.....まだ

 そんなの、そんなのありえるんですか.......?


 あれで......まだ?

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