第49話「A.S②」
「ちょっとだけ相談があるんだけど。いいかな? 田辺くん」
「ん? どうしたのかな 松坂殿」
「この前、アニメイトで友達になった隣のクラスの安藤君を覚えてる?」
「うむ。もちろん」
なら話しが早い。
「今度のオフの日にさ、前日の夜から俺の家で徹夜で名作アニメ鑑賞大会をすることになっていたと思うんだけど......」
「うむ。楽しみにしていますぞ」
「そこに安藤君も誘ってあげたいんだ」
昨日あんなに俺と遊びに行きたいって言ってくれていたし
それならもういっそのこと家に呼んでさらに親睦を深めたい。
親もその日は家にいないからやりたい放題だ
「おお、良いと思いますぞ。安藤殿ならば問題なしですぞ」
「ははっ良かった。いや昨日安藤くんとlineする機会があってさ。俺達のこと結構良く思ってくれてくれてるみたいでね。アニメ好きの同士だし、これはもう家に誘って本格的にアニメ同好会に勧誘してみようかなと」
「おおお、それは名案ですな。もちろん謹んでご協力しますぞ」
良かった。さすが田辺くん
あ、そう言えばアニメ同好会と言えば
「菊田くんはどう? もし良ければ俺の家で泊まりで。まぁ帰る時間は任せるけど」
「え? 泊まり?」
「うん。あ、でも全然無理にではないよ」
「い、いや行きたい!僕、実は友達の家に泊まったりとかしたことなくて。いいの?」
「もちろん! なぁ田辺くん」
「うん。当たり前ですぞ。同士なのですから」
「あ、ありがとう。嬉しい。普通に嬉しいよ」
おお、こ、こういうのこういうの。
俺が求めていたのはこういうのなんだよ。
こういう学園生活なんだよ。
へへへっ、いい。実にいい流れだぞ
そうと決まれば早速安藤くんに連絡だ。
まぁ本当は直接言いに行きたいんだけど、さっき様子を見にいったら今日は何か休みで来ていないみたいだし、あんなに俺と遊ぶことに食いついてくれているんだ。
今度こそ早く返事をしてあげないとな。
えーっと
『どうも。松坂です。昨日の件なんだけど今度良かったら家に来ない? そっちさえ良ければ、泊まりで朝までいてくれてもいいよ。親もその日はいないし』
うん。何もおかしくないな。
送信っと。
って、また既読つくの早いな。
一瞬だ。すごい。
「........」
ん? あれ? でも返事がない。
昨日は返事も一瞬だったのに。
ま、まぁそれはそうか。
普通はそんなに早くないもんな。
◇◇◇◇◇
あ、あれ? あれから20分経って、もう昼休みも終わりそうなんだけど......。
まだ......返事がない?
既読は完全についているのに......
き、昨日は本当に早かったのに.......
「........」
もしかして、普通に嫌だった......とか?
確かに、今考えたらいきなりちょっと距離詰めすぎたか。
どうしよ......。
な、何か恥ずかしくなってきたな。
「.......」
多分、今この時間も安藤くんに色々考えさせてしまっているよな。俺.......
い、いやまだ。言ってもあれから20分か
うん。
そもそも何か先に予定が入っているのかもしれないしな。
そう、そうだよ。
まだ慌てる時間ではない。
うん。昨日が早すぎただけだ。
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