第50話 ウィルス、文学、コンセント(最終話)
ウィルスが生命であるか否か、議論を尽くそうとしても、生物学の知識がないのでは無意味である。
同様に、文学の定義についても議論するにしても、ひとつも文学や古典をよんでいないのであれば、得るものは無駄な時間ばかりである。
このように人には向き不向きがある。
しかし、自分が何に適しているか、あるいはそうでないのか、というものに関しては、実際にやってみないとわからない。
ちょうど幼い子供が『コンセントは危ない』という知識を得るには、実際にピンセットとかシャーペンの芯とかをつっこむしかないように……いやこれは違う事例か。本から学んだり親から教わったりして危機回避できるかもしれない。
ともかく、我々はやってみないと適性がわからないときもある。
私は三題噺を五十週やってみた。
結果として、後期になるにつれ疲れが見え始め雑になってしまった。
これは非常に悔やむべきことであり、当初の目的である「発想力・小説作成力の養成」という点では全く意味がない。
そもそも、私には三題噺が不向きではないのか、と思うに至ったのである。
しかし一方で、飽きっぽい性格ながら五十週も継続できたのは意外にして素晴らしい結果であり、誇ってもよいのではなかろうか。
ともかく、当初の目的である五十週継続は達成できたので、ひとまず筆を置き、この週イチ三題噺を完結する。
週イチ三題噺 木倉兵馬 @KikuraHyouma
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