概要
いつか終わるまで燃え尽きない。
十年前の火事で、兄が死んだ。
家族は壊れ、兄の親友だった男が義兄になった。
くすぶり続ける怒りと暴力衝動を持て余しながら、放火犯を探すことで、なんとか無為の日々をやり過ごそうとする高校生の凪。
そんな義弟を、ただ黙って見守ろうとする夕也。
あまりにも不器用なボーイズ義兄弟の名づけえぬ関係を描くヒューマンドラマ!
家族は壊れ、兄の親友だった男が義兄になった。
くすぶり続ける怒りと暴力衝動を持て余しながら、放火犯を探すことで、なんとか無為の日々をやり過ごそうとする高校生の凪。
そんな義弟を、ただ黙って見守ろうとする夕也。
あまりにも不器用なボーイズ義兄弟の名づけえぬ関係を描くヒューマンドラマ!
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!不器用すぎる義兄弟の尊さよ……
まだ幼い自分を庇って、実家の火事で焼け死んだ兄。
埋められない喪失感と哀しみは、十年経った今も苛立ちに形を変えてくすぶり続け、兄の親友への怒りとして発露していく。
暴力の発火装置と化した凪を淡々と受け止め、無抵抗のサンドバック状態になる夕也。
そんな折、当時の放火犯の手がかりを得た凪は、クラスメイトの胡桃沢と真相解明に乗り出して――。
その身ひとつには持て余すほどの巨大感情と、その爆発的な訴求力にかけては右に出る者のない著者・草森ゆき氏が本作で描くのは、義兄弟BL。
不世出の傑作『不能共』同様、容赦のない暴力描写や、傷口に塩を塗り込むようなねっとりした書きぶりは健在で、薄気味が悪く…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まともじゃないやり方でどうにかまともに生きている、傷だらけの人たち
火事で兄を失った凪と、兄の親友であり、親の再婚によって義兄となった夕也が、不器用すぎるやり方で向き合っていくお話です。
放火犯は誰か、というところを中心に話は進んでいくのですが、情報が集まってくるにつれ、凪くんのことがほんとうに心配になってきてどきどきしながら読み進めました。
私は、草森さんの書かれる、登場人物たちのなりふりかまわない感情の発露の仕方や、衝動の表現、といったものが、すごく好きなのだと思います。
最後の展開と、凪くんと夕也の真相への向き合い方もよかったな、と思いました。とってもおもしろかったです!