華佗といえば、三国志に登場する有名なお医者さんです。
中国ではスーパー名医として長らく語り継がれており、色々と奇々怪々な民話があります。
たとえば、ブサイクで小心者だった貂蝉を人体改造して（春秋時代の美女・西施の首、始皇帝暗殺を謀った荊軻の肝っ玉を移植手術した）、美しき女刺客に生まれ変わらせたとか……。

華佗先生のトンデモ名医伝説の例を数えだしたら、枚挙にいとまがない。個性的な登場人物が数多登場する三国志ワールドの中でも、最も「何でもありな人物」かも知れません。

そんな華佗だからこそ、小説でロリババアになっても驚かない(笑)。１００歳こえてもお肌ピチピチだったらしいから、普通にありえそうです。あやしいお薬で若さを保っていたのでしょう、きっと……。

今作品の華佗ちゃん（ロリババア）は、弟子の廖化とともに広大な中国大陸を放浪しつつ、史実の華佗に負けないぐらいのトンデモ手術や人体改造を三国志の武将たちに施していきます。
人体改造された患者（華佗の実験被験者？）たちの中で個人的に一番インパクトがあったのは、劉備・関羽・張飛の三兄弟ですね。
異様に長くなった腕で諸葛孔明を後ろから抱きしめる劉備は最高に気色悪かったし、にゃあにゃあ言っているネコ張飛は可愛かったです。何を言っているのか分からない人は、ぜひとも本編で確かめてみてください。


とにかく、この美少女華佗ちゃん、誤診してもいっ… 続きを読む

三国志の舞台を描いた作品は数あれど、華佗を主人公にした物語はめずらしいのではないでしょうか。
しかも、『実年齢は100歳以上、見かけは10歳くらいの少女』という設定だから面白い。
ファンタジーのような設定ですが、登場する武将たちは史実に基づきかなりリアルです。
人間味あふれる、個性豊かな武将たちが多数登場します。
作者様固有のセンスで味つけされた、ユーモラスな三国志。一見の価値ありです。
一度手に取ってみてはいかがでしょうか。