第22話 初めての恋
何で話したんだろう?同情されたかったわけではない。別に心を許した相手でもない。人を信じられなくなり、ましてや男なんか話せる訳がないあの姉が気にかける相手。そんな人に興味を持ったのかもしれない。
人は嫌いだ。男はもっと嫌いだ。そう思ってたのに。
『お前だって、辛かっただろ。2人とも助けてみせる』
皐月は自分の頭を触った。
「なんであんなやつ...」
ふと鏡を見ると、そこには顔を赤らめた自分の顔があった。そして、改めて気づいた。
「私、あいつの事好きなんだ」
たった1回。たった1回、かけてくれたあの言葉。優しく頭を撫でてくれた手。たったあれだけの事が、誰のどんな言葉より、行動よりも心に響いてしまった。
ふと外を見ると、おつかいに行くと言っていた唯と上野が丁度帰ってきた。
胸が高鳴る。顔が熱くなる。
(こんな気持ち初めてだわ...)
「好き」
なんとなく呟いたその言葉に皐月はまた顔を赤らめた。
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