概要
見えてはいけないモノが見えてしまう気弱な10歳の少年、ステファン。学校では浮きまくり、家では小言を言われ、息が詰まりそうな日々をすごしていた。そこに突然訪れた客人の職業は画家、そして……魔法使い?
まったりレトロな懐古趣味全開、昭和の翻訳モノ児童文学へのオマージュをいっぱい詰め込みました。
能力バトルもなければ勇者も魔王もいません、あしからず。
(2008年に完成して個人サイトで公開していた作品ですが、冒頭の1話を改稿、その他の章もところどころ加筆修正しています)
後日談「魅惑のテール・クラップ https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054885134857/episodes/1177354054885134870」
オーリの初恋話
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!書籍化希望!やさしさに満ちた王道ファンタジー、まさにこれを待っていた。
『ハリー・ポッター』シリーズが日本の書店で販売されたとき、かつてトールキンや『ナルニア国物語』を楽しんだであろう大人たちはどんな気持ちだったのだろう。きっとちいさな頃、それこそ作中の言葉を借りれば“童心”がはじけて、胸の中にふたたび魔法のきらめきがよみがえるのを感じたのではなかろうか。現にわたしは、大人になったはずの今、この作品を読んでふたたび、言葉や、物語の持つ魔力に魅せられている。
ステファン・ペリエリはふしぎな力を持つ男の子。厳格な母はふしぎな力を認めず、さらには突然いなくなってしまった父との離婚は秒読み。そんなお先真っ暗なステファンの目の前に、ある日、本物の魔法使いがやってきた――…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この世界に満ちる曖昧な力を、無視できるかい?
十歳のステファンは、気弱な少年だ。普通の人には見えないものを見てしまう彼は、学校ではいじめられ、家では厳格な母に叱られる毎日だった。二年前にいなくなった父の行方も分からない。
窮屈な日々を送っていた少年の許へ、ある日、銀髪の魔法使いがやって来た。父の親友だという彼オーリローリ・ガルバイヤン(オーリ)は、「ものの本質をみる」ステファンの能力を見出す。彼に弟子入りしたステファンの、魔法修行が始まる。
魔法使いオーリに翼竜アトラス、竜人エレイン、妖精、王者の樹、書庫の魔物など、さまざまな異界の生物やアイテムが登場します。十歳の少年の目を通して、それらが丁寧に語られていきます。両親の確執、母の苦悩…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ステファン、10歳。魔法使いの弟子になる
伝統的な英国ファンタジーの趣きのある作品。
引っ込み思案で空想がちな10歳の少年ステファンは、毎日母親に叱られ、友達もおらず寂しい日々を送っていた。
そんなある日、画家で魔法使いだという青年がやって来る。二年前に失踪した父親の友人だというが……。
ドラゴンや竜人、魔女、魔法使い、精霊やゴーレム、カラスやフクロウの郵便屋さん。
人間世界に混じるように、彼らは存在するのだが、一般には否定され、迫害されている。
ステファンはもちろんのこと、彼を取り巻くキャラクターも個性豊かで面白い。
師匠のオーリと竜人の娘エレインの不器用な恋やステファンの母が抱える悲しい過去、一見冷たそうでいて愛情深い魔…続きを読む - ★★★ Excellent!!!子供の頃に憧れた、古き良き「魔法使い」の物語が、ここにあります。
魔法の素質を持ちながらも、平凡に暮らす10歳の少年ステファンが、
ある日突然現れた魔法使いに連れ出され、
彼の弟子となり、魔法の修行を始めるーー。
ハリーポッターシリーズやゲド戦記など、子供の頃に読んだ海外の児童文学を思い起こさせる、
本格的なファンタジー小説です。
まるで絵を描くように丁寧な情景描写によって、
レトロな雰囲気も森の中にいるような優しい空気感が、
物語に息づいています。
また、キャラクターの造形も非常に丁寧です。
一人一人が生き生きと、そして親が子を思う心、子が親を思う心、ずっとそばにいる大切な人を思う気持ちなど、関係性が上手く描かれている。
そんなふうに感じました。
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