子供の頃に憧れた、古き良き「魔法使い」の物語が、ここにあります。

魔法の素質を持ちながらも、平凡に暮らす10歳の少年ステファンが、
ある日突然現れた魔法使いに連れ出され、
彼の弟子となり、魔法の修行を始めるーー。

ハリーポッターシリーズやゲド戦記など、子供の頃に読んだ海外の児童文学を思い起こさせる、
本格的なファンタジー小説です。

まるで絵を描くように丁寧な情景描写によって、
レトロな雰囲気も森の中にいるような優しい空気感が、
物語に息づいています。

また、キャラクターの造形も非常に丁寧です。
一人一人が生き生きと、そして親が子を思う心、子が親を思う心、ずっとそばにいる大切な人を思う気持ちなど、関係性が上手く描かれている。
そんなふうに感じました。
読み進めるほどに、キャラクターへの理解が深まり、一人の人間として、竜として、竜人として、愛着が湧いてきます。

現在、物語は佳境を迎え、ステファンの両親の過去と謎や、竜人と人間の関係など、シリアスに深まっています。
しかし、子供を見守るような優しく愛情に溢れたお話の雰囲気は、常に一貫しており素晴らしいです。

本文中に国名は明記されておりませんが、私は個人的にケルト音楽を流しながら夜寝る前に読むのをおすすめしたいです。

あなたもこの古き良き魔法の世界にどっぷり浸かってみてはいかがでしょう。


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