概要
むかしむかし、この国が1番熱かった時代――
文化と革命と暴動が爆発する60年代の東京。
オリンピック、ジャズ、全共闘、ビートルズ来日、三億円事件。
そして……
18歳のハスラー出原遊剛は、ヤクザの怒りを買い半殺しに遭う。やがて彼は三億円事件の実行犯と嘯く女と出会う。
黒人の親友を喪った在日朝鮮人の不良少年イム・ジュングンは、復讐に燃えアウトサイダーへの道をひたすらに突き進む。
生まれついての超能力者である金城和は、とある政治団体から来日したビートルズの暗殺を依頼される。
東京を疾走する若者たちが目にするものとは。
オリンピック、ジャズ、全共闘、ビートルズ来日、三億円事件。
そして……
18歳のハスラー出原遊剛は、ヤクザの怒りを買い半殺しに遭う。やがて彼は三億円事件の実行犯と嘯く女と出会う。
黒人の親友を喪った在日朝鮮人の不良少年イム・ジュングンは、復讐に燃えアウトサイダーへの道をひたすらに突き進む。
生まれついての超能力者である金城和は、とある政治団体から来日したビートルズの暗殺を依頼される。
東京を疾走する若者たちが目にするものとは。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!劇薬注意。1960年代、沸騰する社会を背景に描かれる異能力バトル!
驚いた。めちゃくちゃ面白い。1960年代という時代を背景に、ビートルズ来日、三億円強奪事件という二つの出来事を軸として、疾走するように物語は展開されていく。
物語、登場人物たち、出来事、すべてにギリギリを走る緊張感があり、しかし同時にアイロニカルな笑いもある。意図的に時系列はシャッフルされていて、後になって「あぁ、これがこう繋がるのか」という驚きがある。構成の巧みさに唸らされる。ただ一方で、それらがこの物語の「クセ」でもあり、人によっては全く合わないかもしれない。特に社会性のあるアイロニーは人によっては拒絶反応を示す可能性もある。しかし、その「クセ」こそがこの物語の肝であり、文字通りクセに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!崖っぷちを走る人、崖っぷちを作る時代。
1960年、ビートルズは来日し、学生運動は隆盛を極め、人々の時流へと抗う熱がそのまま行動へと点火し、転化されていた頃のお話です。
この物語の登場人物もその例に漏れず、片腕を失ったハスラーやワケアリの女子大生、ギャングにヤクザに果てはエスパーまで、あらゆる人間があらゆる崖っぷちのなかを走り抜けています。
彼らが織り成す疾走感は読者に迫りかけて、「お前はどうなんだ、今お前は命を懸けて走っているのか」と訴えかけてくるようです。
所々入るブラックジョークも小気味良く、作者さんの筆力を窺わせます。
エネルギッシュで、奇想天外で、ユーモラスで、それでいてどこか懐かしく。極上のエンタメを読みたい方には、こ…続きを読む