過剰な親の期待が子どもの心を押しつぶし、捻じ曲げてしまう。恋愛小説であると共に、少年少女の精神疾患を正面から扱った意欲作です。その描き方はとてもリアルで真に迫っています。その病は、まるで呪いのように主人公につきまとい、中盤で主人公の心を蝕み、人間関係を崩していきます。圧巻のひと言です。おそらくは作者様も、この作品を書くのに魂を削ったことと推察します。読み応えアリです。ラストは、多くは語れませんが、物悲しくも希望を感じる内容で救われた気持ちになりました。充実した読書時間をありがとうございます。
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