ACT23 ミドルフェイズ 白井銀造 『女子のスカートとかめくっても大丈夫だよお!(喜)』

銀造:やっと来た! 俺の番!


GM:うん。


銀造:それでは、お願いします!


GM:君は、事件の起きた高校へとやって来た。つまり、それは君の妹が最期を迎えた高校でもある。……ってことは君の母校でもあるのかよ!?


銀造:そうだよ。


GM:事件があった高校と君の関係って、いくらなんでも濃すぎだろ!?


銀造:仕方ないじゃん、そういう設定なんだからさー。文句はGMに言ってよー。


GM:まあ、君は、その事件―――『悪夢のキャンプファイアー事件』のあった高校に目立たないように潜り込むわけだけど。


銀造:でも、俺って【魅力】が18もあるからー。


ふうか:何か、いちいちウザいね。


銀造:しかし、実際のところ、【魅力】がものすごく高くても、目立たずに潜り込むことが可能なのかどうか。ちょっとイメージが湧かないんだよね。


GM:え? そこが君の能力の使いどころなんじゃないの?


銀造:うーんと……。つまり、特性能力の効果を、スイッチのオンとオフみたいに、切り替えるようなイメージってことかな?


GM:そういう感じでいいんじゃないの?


銀造:それならわかるかー。つまり、スイッチオンだと魅力が溢れちゃう的な?


GM:ほお。溢れさせてみろや。


銀造:ゴメン、何でそんなに絡まれるのか、ちょっとわからない。嫉み?


ふうか:ないわー。それはないわー。


クルミ:じゃあ、きっと逆のスイッチもあるんだね。


GM:ああ、オフ的な。何をしてもわからない。


銀造:そうすると、あれか。逆スイッチをオンにした状態なら、誰にも気にされないから、女子のスカートとかめくっても大丈夫だよお!(喜)


クルミ:(冷ややかに)それはダメだよね。


銀造:でも、めくって怒られたら、魅力全開にして「ゴメン、ゴメン! カーテンかと思ったよ(笑)」で問題なし、とゆー。


影介:どんなカーテンだよ(笑)。


銀造:ハッ! そんな方法よりも《†ブレインウォッシュ》を使って、女生徒自ら……


GM:最低すぎる!!


ふうか:キモいわ!





 待ち焦がれていた出番で、終着駅のない妄想エクスプレス。


 俺の妄想は、走り出したら止まらないぜ?





銀造:……で? えーと、じゃあ、普通に潜入して。普通に書道とかしながら廊下とか歩いてるよ。


影介:普通に書道?


GM:歩きながら書くの?


銀造:そう。廊下の壁に……って目立っちゃう。目立っちゃう。


ふうか:当たり前だね。


GM:あの、君自身は目立たないかもしれないけど、残ったものは目に付くからね。普通に。


クルミ:ホントだよ(笑)。


ふうか:でもさー。何で、目立たないんだろうね?


GM:目立ちたくても目立てない、っていう感じになっているんだよ。


ふうか:そっかー……。かなしー……。


銀造:オイ! 何、勝手に悲しんでんだよ! 別に目立とうと思えば、いくらでも目立てるわ! 【魅力】が18なんだから!


GM:ところで、君は、何のために高校に潜入したの? まさか。女子高生のスカートを捲ったり、壁に書道したりするために潜入したんじゃないよね。


銀造:もちろん。その事件にあった生徒の特定をして、会ってみたいなぁ、と。


ふうか:へー。


銀造:いや、ホントに。あと、ついでに妹が焼け死んでしまった焼却炉を見ておきたい。憎々しげに「……ここが……!」みたいな。


GM:なるほどー。やっぱり焼却炉は見るべきですよねー。


銀造:うん。まず焼却炉に行っちゃうんじゃないかな? 校内で、「どこが焼却炉だったっけ?」とか思って歩いていると、自然と焼却炉の前にいる……という感じかな。


GM:了解。焼却炉は、さすがにそんな事件があった後だから、ないよ。もう。


銀造:そうなんだ。


GM:ただ、焼却炉のあった辺りは、廊下になってるよ。


銀造:廊下? 廊下なの?


GM:はい。


銀造:まあ、買ってきてあった……買ってきてあった花を、そっと添える。


ふうか:2回、言ったね。


影介:そこら辺の花を摘んで、じゃないんだ。


銀造:そのとおり。妹のためにあらかじめ花は買っておいたから。


GM:なるほど。


銀造:妹が好きだった……って何が好きだったんだ? シクラメン?


GM:シクラメンはやめろ、シクラメンは。





 シクラメンが気になる方は『オペレーションアンカーブレイク』で検索を。


 うーん、読んでスッキリ!





ふうか:アマリリスかな。


銀造:そもそもアマリリスってどんな花なんだよ、知らねーよ。


クルミ:え? 知らないの、アマリリス。


ふうか:カワイイのにねー。


銀造:うーん。妹の名前も決めとこう。……(ふうかに)あれ? 名前、何だっけ?


ふうか:「ふうか」だよ! って覚えてよ!


銀造:うーん。金属系って何かあったっけ?


GM:? ああ、「銀造」だからか。「鉛」とか?


銀造:考える気、ないよね。


GM:でもさすがに「白銀(しろがね)」はダメだろ。


クルミ:そうだね、「しろがね」って何か不幸そうな名前だよねー?


銀造:はぁ!? 何でだよ!? 貴様……! 言って良いことと悪いことがあるんだよ!!(怒)





 何たることか!

 かの名作「からくりサーカス」のヒロイン、エレオノールこと“しろがね”のことをかくもディスる人間がいようとは!!


 私は……藤田和日郎先生、並びにファンの方に会わせる顔がない……!!(まだ会ったことがないけど)


 ……こうなったら「双亡亭壊すべし」(←少年サンデーにて好評連載中)をもう1冊買って、阿呆(クルミ)に布教するしかない……!





銀造:あ、宝石でもいいかー。


GM:いいのか?


銀造:うーん……「金剛(こんごう)」?


ふうか:「艦これ」!?


影介:完全なパクリだね。


クルミ:じゃあ、「瑠璃(るり)」とか?


GM:普通やー。


銀造:え? じゃあ、「るり造」?


クルミ:何だよ、「るり造」ってー(笑)。


銀造:何がいいかなー……。


GM:いっそ、鉱石とか?


影介:わかった、「胆石」!


クルミ:ナニソレ!?


GM:そんな石はイヤだーーー!


銀造:じゃあ、もう「瑠璃(るり)」でいいや。って漢字が難しすぎるわー……。まあ、それはそれとして、話を進めるかー。


GM:どうぞー。


銀造:じゃあ、新築された廊下のところで、黙って花を添えよう。「あれは、自殺なんかじゃない……! 焼却炉の中から出てきた炎の手が、妹を……!」


GM:では、あなたが、あの時の、あの風景を想っていると、そんなあなたの想いとは別に、女生徒とかにニーバズーカとかをくらいながら……。


銀造:え? 誰が?


GM:君。


銀造:何で?


GM:だから、君は「瑠璃……」とか言って花を添えてるんだけど、そこに……。


銀造:え? ちょっとよく言ってる意味がわからないけど……ニードロップ?


GM:ニーバズーカ。


銀造:ちょ、ちょっと待って。何で、そんなに貶(おとし)めようとしているのか、よくわからないけど?


GM:(驚)え!? カッコ良くない!?


銀造:そもそもどういう状況なのか、さっぱりだけど。


GM:だから、君が跪(ひざまず)いて、「瑠璃……」とか花を添えているんだけど、そこに通りかかった女生徒とかに無視されて、誰もいないかのように君の脇に「ガスンッ!」とか入るんだよ。


クルミ:そこまで? そこまで存在消えちゃうの!?


影介:消えてるーーー!(笑)


ふうか:かなしー(笑)。


銀造:ねえ、ちょっと、ソレってカッコいいの? お前の中で。


GM:え? コレ、良くね?


銀造:っていうか、本気でそう思ってるのかなー、と。


GM:あ、そうなんだ。カッコ良くないんだ、君の中で。


銀造:ハイ、今のニーバズーカのとこ、カッコいいと思ったひとーーー!


影介:あひゃひゃひゃひゃひゃ…………!(笑)


ふうか:笑いすぎ!(笑)


クルミ:うーん……。


GM:カッコいいよね? 君にとっては大事なシーンだけど、通りすがった女生徒からは、まるでそこにいないかのように扱われるんだよ。


銀造:もう、いいや。それで。ニーバズーカで。っていうか、廊下の真ん中に花を置いてるわけ?


GM:すみっこだよね。廊下は、木で出来た渡り廊下になってて、その近くに新しいプレハブとか建ってて。


銀造:うん。


GM:で、君はすみっこに跪(ひざまず)いて、妹に花を捧げていると、女生徒とかが「キャハハハ!」とか笑いながら走って来るんだけど、君はまったくいないかのように扱われるんだけども。


ふうか:そこまで存在が消えるなんて、スゴイね。


影介:消えすぎだね。


GM:そうだね。で、どうする?


銀造:どうするって……。痛いんじゃないの? ニードロップ喰らえば。


GM:ニーバズーカね。


銀造:それ、そこまで重要なのか?


GM:ところで、君は〈特性能力〉……高いんだよね?


銀造:100%。


GM:ってみんなも〈特性能力〉は100%? もしかして。


ふうか:100%にした!


影介:同じく!


クルミ:100%だよ。だってそういうゲームなんじゃないの?


GM:ですよねー。


銀造:で、コレって何の判定?


GM:あなたが、妹のために廊下の片隅に花を添えながら、あの時の風景を思い出せるか……と。


銀造:なるほど。よーし! 思い出すよーーー! ……(コロコロ)……成功。普通に思い出した。50%だから。超普通。


GM:了解。……あの時、あなたの目の前で、焼却炉の中に落ちていった妹。果たしてゴミを燃やすためだけの焼却炉が、人間一人をあそこまで燃やせるものだろうか?


銀造:……さっき、「焼却炉の中から炎の手が出てきて……」とか言ったような。


GM:ええ。あなたの記憶を裏付けるものですね。つまり、あの時の記憶というのは、「あなたにとってはそう見えた」というものだった。でも、時間をおいて、改めて思い出してみても、やはりそうであったと。


銀造:なるほど。


GM:あの日、あの時、妹の足に纏(まと)わりついていたモノは、確かに『蛇』だった。


銀造:蛇か……。


クルミ:コワイ~。


GM:……両の足首を、何匹もの蛇が固めて……ゆっくりと焼却炉の中に体が落ちていく妹の姿。


ふうか:ひぃーーーーー!(叫)


GM:その手にも……何匹もの蛇が纏(まと)わりついている……!


銀造:そのころ、僕は一体ナニを……!?


影介:確かに。何、やってたんだよー!


銀造:そんなこと言うなよー。


GM:……あなたは、「叫ぶ」? それとも「黙る」? 焼却炉の中から伸びてくる巨大な手。あたかも巨人のような。


銀造:……そこは「叫ぶ」んじゃないかな。「(大声で)やめろぉぉぉーーーーー!!」


GM:いいでしょう。


銀造:あ、その時に能力が発現したんじゃないかな?


GM:そうすると、その瞬間。あなたにニーバズーカを入れた女生徒とか、その他諸々の生徒たち全員がギョッとして、あなたの方を見ているのに気づきます。


銀造:感情が高ぶったから、能力が全開に……!


GM:もしくは制御しきれずに、ですね。「白井先生?」「白井先生が叫んでる!」


銀造:ここには何人くらいいるの? 生徒たち。


GM:廊下だから、7~8人かな?


銀造:じゃあ、ニッコリと微笑んでから、サッと全員を見渡して、「……何でもないです。……さあ、みなさん、掃除を続けて下さい」と言って《†ブレインウォッシュ》を。……って、「対象1人」って書いてあるなー……。


GM:……いいでしょう。あ、効果があるのは「エキストラ1人」か。うーん……まあ、モブだしなぁ。じゃあ、3回分のコスト支払ってから、〈特性能力〉の判定を1回で。


銀造:やった。じゃあ、振ります。……(コロコロ)……普通に成功。


GM:じゃあ、あなたの叫びを聞いて、ギョッとした生徒たちが、虚ろな目つきに変わります。……やったね、これでやりたい放題だよ!


影介/銀造:「(甲高い声で)ぜんいんーーー! 前にぃーーー! ならえっ!」


GM:全員、前にならわせるのかよ!?


ふうか:全員、別々のところにいるんだから、ならったってバラバラだよ!


クルミ:確かに(笑)。


銀造:やらんわ! ……えーと、そのニーバズーカを喰らわせた女生徒のところへ行って、「……申し訳ないが……、たまに、この場所に花を供えてやってくれないか?」と。


GM:なるほど。


銀造:と、言い残して……シーン去っちゃっていいの? コレ。


GM:いいよ!


銀造:シーン去っちゃったら、何も情報が手に入らないとかだと、マズいんだけど? ついでに聞いとこうかなー。「えーと、アレと、コレと、ソレとー」。


クルミ:何、セコいこと言い出してんの!? 情報収集とか(笑)。


GM:そうだよ、カッコ良く去って行けよ!(笑)


ふうか:台無しだね!(笑)


銀造:でもさー、情報がないとさー。後で「君ら、さっき情報、手に入れてないよね?」とか言われたら、アレじゃん?


GM:さっき、他の人たちが手に入れてるでしょ? 次に行くところとかも!


銀造:そっか。じゃあ、さっきのセリフを言ったら、「ついでにぃー……」。


クルミ:結局、聞くんだ!?(笑)


GM:うるせぇよ! 早く去れよ、シーンから!(笑)


クルミ/銀造:「……ところで、君は、ここについて……」


ふうか:聞いてんじゃん!


銀造:あ、だから、順番が逆だったらいいんじゃないの? 先に聞いておいて、最後にさっきのセリフを言えば。


GM:ああ、逆ね。ってそういうもんか?


銀造:そう言えば、俺はクラスとか知ってるの? 事故があったクラス。


GM:知ってるよ。……じゃあ、2年1組で。


銀造:生き残りの生徒のことは? 目覚めた生徒がいることとか。


GM:目覚めた生徒がいることは知らない。生き残りが病院にいることは知ってるけど。


銀造:「……2年1組の事故の関係で、みんなが入っている病院はどこかな? ……わかれば、教えてもらえないかな?」


GM/女生徒:「風見鶏先輩とかでー」


銀造:あ、1年生なの? この女生徒。


GM:そうだよ。というわけで、病院の場所は聞いたよ。……ってそっちを聞くんだ。


銀造:ん? あ、他の生き残りの人のこととか? 「……えーと、他の生き残りの生徒はいないかな?」


GM:いや、2つも情報を与える気はないから。


銀造:えーーー!? けぇちぃーーー!


GM:でも、まあ、あなたのキャラクターの関わり方だと、『KJK』に行くよりは、そっちなんじゃないですかね?


銀造:まあ、そうかも。……あ、そう言えば、《†サイオニックヒーリング》ってどのくらい治せるの?


GM:ん? (ルールブック確認)負傷5マス分でしょ?


銀造:そういうスペック的な話じゃなくて、イメージ的な。つまり、「腕が切れました」「くっつきました」とか。例えば、今の話だと「火傷を治すことが出来るのか」とか。


GM:治せる。だけど、痕が残らないとは限らない、ね。


銀造:普通に病院で治療するよりも、ずっと早く治せる、ってイメージでいいのかな?


GM:そうだね。普通に治療するよりは、ずっと早く治せるね。


銀造:なるほどー。じゃあ、やっぱり病院でいいかな。じゃあ、ニーバズーカの女生徒に「……ありがとう」と言いつつスカートをめくって……。


ふうか:結局、スカートめくるのかよ!?


銀造:いや、めくらない、めくらない。「……ありがとう。できれば……」と言って、さっきの最後のセリフに戻って「……たまに、そこに花束を添えてやってくれないか……」と。


GM:了解。


銀造:じゃあ、シーンを去るよ。タッタッタッタッ!(走る仕草)





 こうして華麗に舞台から消えた銀造。

 彼の妹―――るり造、もとい瑠璃(るり)を焼却炉に引きずり込んだ“巨大な手”とは……。



 そして。

 ―――銀造の次の出番はいつなのか。

 それは誰にもわからない(3シーン後と予想)。

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