ACT24 ミドルフェイズ 光影介 『“ネフィリム”キターーー!』

GM:じゃあ、2周目だね。えーとね、2周目は、やりたいことがある人のシーンを優先でやっていこう。


一同:りょうかーい!


銀造:でもシーンは連続じゃない方がいいよね?


GM:まあねー。


クルミ:何がいいと思う? 『矢沢警部』かな~。


銀造:『田沢』でしょ?


クルミ:あ、そうだったー(メモメモ)。どうする? 田沢警部のとこ、行く?


ふうか:私、キーがないからさぁー……。


銀造:俺もキー、1個しかないけどー。


ふうか:私、キーをもらってないからー……。


GM:ないけど、みんなから話を聞いて「『水無月さん』ってどんな人だっけ?」というヤツでもOKだよ。


銀造:これって、他の人のシーンに登場することはできるんだよね?


GM:できるよ。【魅力】×5の判定に成功すれば。相棒(バディ)だと出やすくなるしね。


ふうか:じゃあ、私がやるからぁー。みんながシーンに登場してくれればー……。


GM:そうなんだ。誰か、出てきて欲しい人とかいるの?


ふうか:(銀造を指さして)まず、傷を治してくれる人でぇー。


銀造:何だ、その「傷を治しくれる人」っつー言い方は。せめて名前で呼ぶとかしろよ。つーか、さっき傷の治せる程度とか聞かなきゃ良かったよ!


ふうか:(クルミを指さして)次に『水無月さん』のことを教えてくれる人でぇー。あ、『田沢警部』もかー。


銀造:何なの? 一体。「私、PC①だから、みんな情報とか持って出てこい」みたいなのは。失礼すぎるよ!?


ふうか:(影介を指さして)で、ヘビの写真を見せてくれる人だね!


影介:あひゃひゃひゃひゃ(←ツボにはまった?)


GM:まあそれだとさぁ。影介が先にやらないと、ヘビのことがわからないんじゃない?


ふうか:あ、そうか! じゃあさぁ、影介、先にやってよ。


銀造:すげー、勝手だなー(笑)。


ふうか:ねえー、ヘビ、やってよー。


影介:うん。わかったー。ヘビを調べるよ。


GM:じゃあ、影介のシーンでいいね? ……影介は、部屋で、兄ちゃんのカメラから抜いてきたメモリーの中身を確認する。


銀造/影介:「……兄ちゃん、こんな写真撮ってたなんて、サイテーだよぉ!」


GM:撮ったの、自分じゃねーかよ。


銀造:ホントだ。


GM:では、パソコンで、その画像を再現するよ。でも、さっき写真を撮るのに失敗したから、ボンヤリした画像(え)しか撮れてません。


影介:え? 失敗? ギリギリ成功したハズだけど。写真撮るヤツ。


GM:でも最初に〈観察〉に失敗してるから。


影介:ああー。そういうことかー。


GM:だから、写真は撮れたけど、ボンヤリとしか写ってないわけですよ。


ふうか:でも、写真の画像をキレイにしたらいいんじゃない?


GM:そのとおり!


影介:そっか。じゃあ、画像をキレイにしよう。


銀造:まずは、画像を保存してからな?


GM:それはするって、普通に。


影介:そこらへんは、ね。


GM:では〈コンピューター〉を。


銀造:50%の。


クルミ:それは、言っちゃダメなんだよー(笑)。


影介:行きまーす!(ダイスを握りしめる)


銀造:イヤイヤイヤ、そこはあるだろう。まあ、男らしい態度ではあるが。


クルミ:そうそう。何か、使えそうなのとかー。


GM:光使いなんだからー。画像処理は得意なんだよ?


ふうか:そうだよ!


影介:そっか! ……じゃあ、《†クレパスキュラーレイ》を使おうかな? 成功率が30%上がるヤツ。ピカーン! 暗がりを照らす! 部屋が明るくなったよ!


一同:えーーー!?(笑)


銀造:イヤ、そこは、ソフトで調整できる明るさをさらに精密にする、とかじゃないのか!?


影介:確かに。


GM:では微妙なピクセルの明るさをいじって作業するわけだね。


影介:そうそう、そんな感じでー。


GM:ではコストの疲労を支払って〈特性能力〉判定を。えーと? 80%になるのか。


影介:見えろー、見えろー! ……(コロコロ)……76! ってギリギリだけど、見えた!


銀造:危なっかしいなー(笑)。


GM:あなたの目の前に、ある姿が浮かんでくる……。それは……ヘビだ! あなたは知っている。その正体は“ネフィリム”だ!


影介:“ネフィリム”キターーー!


クルミ:敵だ。


影介:敵だ!


GM:ところで、〈知識:ネフィリム〉って持ってる?


銀造:みんな持ってるね。


GM:なるほど。では、ネフィリムに関係する技能判定に+30%ですね。


銀造:あ、そういうヤツなの? これ。……つまり、ネフィリムと戦う時には常に30%のボーナスが……!


ふうか:なるほど!


GM:そんなわけないよね(笑)。常識的に考えて。というわけで、〈調査〉を。


影介:〈調査〉は……36%だったー(泣)。


GM:それに30%のボーナスを加えていいよ。


影介:つまり66%。「コイツは……! コイツは……!」(ダイスを握りしめる)


銀造:それだけでいいのか!? もっと使えるモノがあるんじゃないか?


クルミ:ピカーって。ピカーって。


GM:どうやって使うんだよ?


影介:頭から光を出して明るくなる?


GM:状況がサッパリわからないけど?


影介:確かに。じゃあ、いくよーーー! ……(コロコロ)……64! せ、成功! 良かったー!


銀造:またギリギリ!


GM:では、あなたにはわかるぞ。あれは、“ネフィリム”の“ワーム”クラスだ。“ワーム”とは『ミミズ』のことだね。


ふうか:ヘビじゃないのかー。


GM:“ネフィリム”に多くいる、大量に生まれて、人間を貪(むさぼ)り喰うモノだね。


銀造:あ! それでお兄さんは腹を下しちゃったんだね。ギョウ虫が腹の中にいたから。


クルミ:えーーー!?


影介:じゃあ、妹さん、すごい痛かったねー……。燃えながら貪(むさぼ)り喰われてー……。


GM:そうだねー。


銀造:ん? 誰の話してんの?


GM:君でしょ?


銀造:え? 俺の妹の話してんの? イヤ、別にワームクラスなんぞに喰われてないし。だいたい、ネフィリムに喰われたのは、影介のお母さんでしょ?


影介:僕のお母さんだってワームクラスに喰われたわけじゃないし! もっと強いヤツだったしね!


クルミ:ねえ、ちょっとちょっと。一体、何の自慢大会が始まっちゃったの?


GM:確かに。では、影介。君は気がつく。あの時、『KJK』の取材をした時、君の兄、黄一郎の足元についていたのは、“ワーム”の“ネフィリム”!


影介:何で、ついていたんだろう? どこからついて来たんだ?


ふうか:KJK?


GM:でも、まだわからないよね。


影介:KJKの背中にも羽があったよね。ライブの時、見てたから。


GM:なるほど。KJKが怪しいと気づけるわけだ。


影介:うーんと、つまりKJKは、“炎の巨人”と仲がいい?


GM:え? いや、そもそも“炎の巨人”のこと、影介は知らないよね?


影介:あー、そうだった……! じゃあ……「もしかして監視するのが目的なのか?」と思って足元を見てみる。


GM:なるほど。しかしあなたの足元にはヘビはいない。


影介:あー……いなかったーーー……! じゃあ、周りも探してみる!


GM:では〈観察〉を。


影介:これには〈†クレパスキュラーレイ〉を使う! 光で部屋の中を明るく照らすよ!


GM:なるほど。それならいいでしょう。+30%で。


影介:つまり78%か。……(コロコロ)……成功! 見えた!


GM:そのとおり! あなたには見えた。ワームはいる! アパートの戸口に!


ふうか:ひぃーーー!


クルミ:コワイ~!


影介:大量にいるの!?


GM:いや、数は多くない。そして、それは、アパートの窓から、ドアの下から、自分の体を潰して、平たくなりながら、「ズリズリズリッ」と逃げようとしている!


影介:え!?


銀造:C4だ! C4!


ふうか:爆弾とか、危なすぎるわ!


影介:銃とかって持ってない?


GM:持ってるけど。


銀造:銃かよ!? アパートの中で!


ふうか:自分は、C4使えって言ってたし。


銀造:まあ、そうだけど。違うでしょ!? 音とかするでしょ?


GM:もちろん、音とかはするけど……逃がしていいの?


影介:いや、それはダメだ……《†レーザーショット》を使うよ! 


銀造:まあ、アパートの中で銃をぶっ放すよりはナンボかましかと。


GM:《†レーザーショット》は……「対象:単体」「距離:至近~遠」。了解。


影介:〈特性能力〉は100%あるから、2回攻撃できるよね?


GM:できるね。では、何が起きる?


影介:じゃあ、ワームが這って逃げようとするところを、指から放った光で撃つ! ピュン!ピュン!


GM:では、コストとして軽傷1点を支払って下さい。


影介:わかったー。ところでさぁ、軽傷っていつ治るの?


GM:負傷ゲージは、シーンに登場しない舞台裏の時に1点回復するね。では〈特性能力〉の判定をどうぞ。


影介:了解。2回撃つなら50%ずつか。って何匹いるの?


GM:1匹。


影介:じゃあ、1回。100%で確実に。


GM:了解。ではどうぞ。


影介:行くぜ……! ……(コロコロ)……成功!


GM:成功の出目はいくつ?


影介:54。え? あ、避けるの?


GM:もちろん。かわせ! ……(コロコロ)……10! えーと、この場合、〈回避〉は成功しているから、成功同士で出目が低い方が優先するから……。


影介:避けるなぁーーー!


GM:残念! あなたの放った《†レーザーショット》は、アパートのドアを焦がしただけだった。その下をワーム型のネフィリムは這うようにして抜けて行った。


影介:うーん、これ以上は出来ない?


GM:どうする? 追う?


影介:追うしかないね。走って、ドアを開ける。


GM:では、あなたがアパートのドアをバーンを開けると、アパートの廊下を、ネフィリムが這って逃げていくよ。


影介:もう1回撃とう! 《†レーザーショット》!


銀造:また、軽傷ゲージが埋まっていくよぉー(笑)。


GM:どうする? 確実に1回? それとも2回?


影介:……確実に1回で! 《†レーザーポインタ》も使う! ダメージがランク分上がるヤツ。……(コロコロ)……48で成功。


GM:……(コロコロ)……43。かわした!


影介:ああーーー!(絶望)


GM:あ、ちょっと待って。相手の〈回避〉の技能が……。あ、かわしてない。当たった。


影介:! やったー!


GM:ではダメージをどうぞ。えーと、《†レーザーショット》は「2D10+[ランク×3]」だね。


影介:追加分は、もともとのランクが5だから15点で、《†レーザーポインタ》の分が5点で20点だよ。……(コロコロ)……11+20で31点。ダメージ種別は[灼熱]!


GM:了解。じゃあ、[灼熱]のダメージチャート、振るよ。


銀造:あ、ダメージチャート振るのか。これ。


GM:そうそう。行くよー。……(コロコロ)……「大爆発が起きる!」。


クルミ:フフッ(笑)。


銀造:アパートの廊下だけど(笑)。


GM:そう。こう……「ドカーン!」「ボカーン!」と。「大爆発が発生し、相手は吹き飛ばされる!」。


銀造/大家:「(壁を叩く仕草)光さん!? 光さーーーん!?」


GM:アパートの廊下が「どっかーーーん!」と。


銀造/住人:「光さん! どうしたんですかーーー!?(絶叫)」


影介:死体は? ワームの。


GM:木っ端みじんだね。


影介:あちゃーーー。


GM:そうすると、アパートの人たちが出てきて「何!? テロ!? テロなの!?」と。


クルミ:何か、微妙に楽しそうだね。アパートの人たち。


GM:「アッバァーーー!」とか言いながら転がり回ってますけど。


ふうか:誰が転がってるの?


GM:廊下にいた人。


クルミ:えーーー!? 廊下に人がいたの?


銀造:廊下に人がいたのに思いっきり使ったの? 能力(チカラ)を。


GM:ホラ、《†レーザーショット》なら正確だから外さない、と。


銀造:つまり、一般の人たちの目の前で使ったと。


ふうか:おかしいじゃん。


影介:おーかーしーいー。って言うか、アパートの人たちがそんなにいたら、さすがに使わないと思うけど。


GM:あ、使わない?


銀造:というか、最初から一般の人っていたの? 説明だと、大爆発が起きてみんな出てきたみたいだったけど、何で最初からいたみたいな話になってんのかなって。


一同:(笑)。


GM:では、あちこちがブスブスと焼け焦げて、ネフィリムが焼けるイヤな臭いが立ちこめています。


銀造:ネフィリムにも実体があるんだ。


GM:ある。ミミズが燃える臭いがしている。


ふうか:どんな臭いなんだろうね、それ。


クルミ:さあ。


銀造:ハンバーガーが燃えるような臭いだな。


GM:そういうこと、言うなよー。


ふうか:ネフィリムって、普通、どうなるの? やっつけたヤツ。


GM:えーとね。持ち帰れるなら、調査部門に渡すと、調べてもらえる。


銀造:大爆発しちゃったけど(笑)。


影介:じゃあ、持って帰ろうかなー。焦げちゃったけど。袋に入れて。


GM:了解。


銀造:じゃあ、組織片も手に入ったことだし。


GM:で、どうする? アパートの人たちが「光さーん……」みたいな目で見てますけど。


銀造/影介:「おめーらも爆発させんぞぉ!」


ふうか:アハハハハ! ダメじゃん!


銀造/影介:「さぁさぁ、見世物じゃないんだ! 入った、入った!」


影介:アハハハハ! 周りの人たちは、僕が能力を使えることは知らないんだよね?


GM:知るわけないじゃん!


影介:だよねー……。じゃあ、言いくるめても大丈夫なんだよね。


GM:もちろん。言いくるめられるなら。


クルミ:僕のせいじゃないってことを、頑張って言いくるめてー。


影介:《†クレパスキュラーレイ》の能力を使って……廊下の蛍光灯をピカピカピカって光らせる。で、「電気が流れ込んでいる……! 漏電かもしれない……!」って。


GM:えーーー!? ……まあ、いいでしょう。でもボーナスは半分の15%で。全部は認めたくない、今の話じゃ(笑)。では〈交渉〉を。


影介:〈交渉〉は30%しかない。つまり45%……。……(コロコロ)……86。


銀造/住人:「ナニ言ってんだ、アンタ!」


影介:キャー!


GM/住人:「今の爆発は違いますよねー。アンタんとこで何かやったんじゃないですか? これって、修理が失敗したんじゃないですか?」


銀造/影介:「違う、失敗じゃない! ネフィリムだ! ヤツらがいたんだ!」


影介:イヤイヤ、それは言わないから!(笑)「す、すみません……」って謝る。


GM/住人:「まったく……。最初っからそう言えばいいんだ。どうせ修理に失敗して爆発させたんでしょ? それを蛍光灯のせいにしたりして……! この修理費はみてもらいますからね!?」


影介:「は、はい……。壊れているところを自分で修理するとかでも大丈夫ですか?」


クルミ:でも、ドアとかが壊れてるんだから、機械修理じゃないからムリなんじゃないの?


影介:そうか! そうだったー……。ドアだけじゃなく、ガラスも!


GM:そうすると、周りの住人とかも「光さん、修理費払うってさー」とか言いながら部屋の中に戻っていきます。


影介:……。


GM:ところで、大事な話は……。ってナニが大事な話かわかってますよね?


影介:修理費。


GM:それも大事だけど! それ以外に2つあるよね!?


影介:「ネフィリムの組織片のこと」と、「すべてのワームはKJKのところから来ている」ということ?


GM:そうそう(安堵)。じゃあ、アパートの住人たちから「まったく光さんは……」と罵(ののし)られながらシーンカットでOK?


影介:うん。じゃあ、お菓子を持って謝っておこうっと。


銀造/住人:「こんなお菓子じゃねえ! 誤魔化されませんよ? 毎回毎回ねぇ……! こっちの身にもなって下さいよ。寝ようと思ったらねぇ! 急に爆発音がして!」


クルミ/住人:「ホントに働いているんですか? ネフィリムとかやっつけてるんじゃないですか?」


影介:「イヤ、ホントに爆発しただけなんで、すみません」


ふうか:「爆発しただけ」とかどんな言い訳だよ!?(笑)


GM:じゃあ、そんな感じでシーンカットねー。





 ―――親しみのある『町の修理屋さん』。

 それが、光影介の仮面。


 そんな影介が、突然、起こした“アパート爆破事件”。


 しかし、菓子折(栗まんじゅう)で隠蔽工作を図るという、彼の狡猾な手腕により、その事件は闇に葬り去られたのだった―――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る