ACT12 プリプレイ 『えーーー!! 何で【魅力】18もあるの! 信じらんない! キモイ!』

下げ友:みんな、どんな感じ?


時間をかける少女:私は、結構決まったよー。


下げ友:へー……。って肉体派少女かよ!?


腹黒演劇乙女:ホントだー! 【身体】、たかっ!


下げ友:個人的には、肉体派JKはやめてもらいたい!


時間をかける少女:何で!?


下げ友:何か、守らなきゃいけない設定になりそうなのに、守れそうにない……っていうか、逆に守られそうな予感がするから?


時間をかける少女:私、「弓道部」だから! ……っていうか、「JK」って言い方、やめてよね!


下げ友:えー、でも「女子高生」じゃん。


時間をかける少女:言い方がキ~モ~い~ぃ~。


下げ友:フッ……! それは……、俺にとって、すでに褒め言葉だな……!


寝落ちリア充:えー……。


時間をかける少女:マジかー。


腹黒演劇乙女:すでに……へこませ方がわからないレベル。


劇辛党:まあ、何でもいいから早く割り振ってー。あと、名前とかも決めてねー。


下げ友:うーん、名前かー。


時間をかける少女:どうしようかなー。


腹黒演劇乙女:ねえねえ、〈運転〉って、40%でも普通に運転できる?


劇辛党:もちろん、できますよ。その成功率は、難しいことをやる時のためのものですから。


腹黒演劇乙女:そっかー。良かったー。


寝落ちリア充:……何か、あっと言う間だね。250%。


腹黒演劇乙女:うん。


時間をかける少女:250%って、全然足りないよ!


寝落ちリア充:確かに。






 そう。最初に「250%」と聞いた時は、正直、

「え、いいの!? そんなにポイント貰っちゃったらやりたい放題だよ?」

くらいな勢いだった。


 が、実際に技能に割り振ろうとしてみると、

 「どれも失敗を心配しないくらいの成功率が欲しいよ!」

と贅沢なことを考えてしまうのだった。


 で、色々と割り振ってみると、

 「ヤバイよ! どの技能も成功しそうにないよ!?」

と器用貧乏な感じに仕上がりそうになることに気づいちゃったり。


 というわけで、みんな、泣く泣く「これだけは上げておこう!」という技能(主に戦闘技能と特性能力)にポイントを割り振ったら、あっという間に250%が終わったのだった……。


 何か、お小遣いみたいだなー。と下げ友はしみじみと思った。(←わりとどうでもいい)






劇辛党:で、名前は決まった? あと技能の割り振り。


時間をかける少女:私は決まったよ!


劇辛党:おお! どんな感じ?


時間をかける少女:名前は「風見鶏ふうか」だよ! 「カザミドリ」の「トリ」はニワトリの「鶏」ね!


劇辛党:ああ! 《風候操作ウェザーキャスト》だからか。


時間をかける少女:そうだよー。


下げ友:何か、日和見主義者っぽいな。


劇辛党:そういうお前は決まったのかよ?


時間をかける少女:そうだよ、決まったの?


下げ友:う……、イヤ、もう少し……(ゴニョゴニョ)。


劇辛党:能力値の割り振りとか、技能の割り振りは?


時間をかける少女:うん! 【魅力】が17で【体力】【感覚】が14。【知力】が12だけど、【意志】が10。


腹黒演劇乙女:結構、肉体派だね。


時間をかける少女:ほら、やっぱり【肉体】は大切だから。


劇辛党:あ、【意志】を一番低くしたんだ。


時間をかける少女:そうなんだよ。かなしー。


劇辛党:まあ、全部が高くできるわけじゃないですからね。


時間をかける少女:技能の方はねー。〈特性能力〉と〈飛び道具〉を100%にしたよ。それから〈交渉〉が86%もあるよ。あと、〈抵抗力〉っていうのも70%にした。〈抵抗力〉って大事だよね?


劇辛党:まあ、多分。まだ、わかんないけど。


寝落ちリア充:僕も決まったよ。


劇辛党:おお。どんな?


寝落ちリア充:名前は「光影介ひかり・えいすけ」。


劇辛党:ああ、《光波干渉オプティカルインタフェア》ですからね。いいと思います。


寝落ちリア充:うん。能力値は【身体】【感覚】が16にした。【意志】は13、【知力】が12。【魅力】は10。いらないからね。【魅力】。


時間をかける少女:【魅力】、いるって! 絶対!


寝落ちリア充:ま、僕は、いらない。技能は、〈特性能力〉と〈銃器〉が100%。〈回避〉が98%。


劇辛党:おお、完全に戦闘技能ばかり。でもなんで〈回避〉は100%にしなかったの?


寝落ちリア充:え? 100%あったら2回、〈回避〉できるの?


劇辛党:できないね。


寝落ちリア充:だよね。だから。


劇辛党:うわー、マンチやー。


寝落ちリア充:そうじゃないけどー。実際、いらないじゃん。100%。それより、時間をかける少女は〈回避〉65%しかないけど、大丈夫?


時間をかける少女:私は、弓使いだから、攻撃されないの。だから大丈夫! 一応、65%あるし。


寝落ちリア充:そうかなー?


腹黒演劇乙女:ねえねえ、私も決まったよー。


劇辛党:おお、教えて下さい。


腹黒演劇乙女:私はねー。「桃山クルミ」にしたよ。


時間をかける少女:何か、おいしそうだね(笑)。


腹黒演劇乙女:ねー(笑)。【感覚】【魅力】が16で、【意志】が13、【知力】が12。【身体】を10にしたー。やっぱり、【意志】が低いと良くないからね。何となく。


時間をかける少女:そういうこと言わないで! 悲しくなるから!


劇辛党:技能の方はどういう感じなの?


腹黒演劇乙女:えーとねー。〈特性能力〉と〈近接武器〉が100%。


劇辛党:どうやら、〈特性能力〉と戦闘技能のどれかは100%にするのかスタンダードなんだね。きっと。


腹黒演劇乙女:あとはねー、〈観察〉が90%。


寝落ちリア充:〈観察〉、たかっ!


下げ友:無駄に高いな……。


腹黒演劇乙女:むーだーじゃーない! 劇辛党のシナリオって〈観察〉とか、すごく大切そうだから。


下げ友:まあ、確かにそうだけどな。


劇辛党:やだなぁ。〈観察〉なんて必要ありませんよ?(ニヤリ)


腹黒演劇乙女:ウソだー!


下げ友:じゃあ、〈観察〉担当が1人確保ってことで。


腹黒演劇乙女:「担当」とか言わないで欲しいんだけどー。


下げ友:あれ? でも、〈近接武器〉100%もあるってことは、前衛担当だよね? 【身体】10しかないけど、大丈夫なの?


腹黒演劇乙女:わかんない。


劇辛党:大丈夫なんじゃないですか?(←無責任)


下げ友:イメージ的には【身体】が高そうなキャラだけどなー……。つーか、前衛だと【身体】が高い方が……。


劇辛党:そんなことより、お前は決まったのかよ?


下げ友:いい加減、その風当たりの強さ、何とかならないのか?


劇辛党:まさか、まだ決まってないの?


下げ友:決まった、決まった、今、決まりました!


劇辛党:ホントかよ!?


下げ友:マジマジ。名前は「白井銀造しらい・ぎんぞう」。コールサインが「白覚はっかく」だからな。


劇辛党:なるほど。


下げ友:で、能力値は【魅力】が18! 俺が一番高い!


時間をかける少女:えーーー!! 何で【魅力】18もあるの!? 信じらんない! キモイ!


下げ友:黙れ! キモくないわ!


劇辛党:ま……まさかの「美少年キャラ」!?


時間をかける少女:ヤダー。


下げ友:イヤ、だって、ホラ。俺のキャラは《精神投影イメージリアライズだから。【魅力】が高いイメージじゃん。……っていうか、【魅力】が一番高いんだから、むしろ、全然キモくないわ!


時間をかける少女:逆ギレだね。


下げ友:逆ギレとか言うな!


劇辛党:で、他のところは?


下げ友:【意志】が14。【感覚】13。【知力】12で【身体】が10。先生にしようと思ったけど、あんまり頭が良くならなかったー。


劇辛党:【知力】、高くすればいいじゃん。


下げ友:いや、やっぱ、そこはさぁー。《精神投影イメージリアライズ》だからさー。《†ブレインウォッシュ》で確実に洗脳とかしたいじゃん?


時間をかける少女:えー?


腹黒演劇乙女:そこんとこ、全然、よくわかんないけど。


下げ友:で、〈交渉〉が100%なわけ。万が一、失敗した時に……じゃなかった、わざわざ〈†ブレインウォッシュ〉を使わなくても〈交渉〉ですむように……さ。


劇辛党:説明すればすれほど、ゲスな感じになるのは気のせいか?


下げ友:ああ、〈特性能力〉と〈銃器〉は100%で。後は〈応急手当〉が89%。一応、傷を治したりする役目っぽいからな。ついでに〈回避〉は90%。


時間をかける少女:えーーー!? 私、〈回避〉65%しかないんだけどー。


下げ友:知らねーよ。


時間をかける少女:じゃあ、下げ友のキャラが前衛だね。


下げ友:ムリだっつーの!


劇辛党:これで、全員、キャラの名前と能力値、技能が決まったね。


一同:はーい!


劇辛党:ああ、そう言えば、キャラの『負傷ゲージ』も決めておくね。


時間をかける少女:何、それ? HPみたいなやつ?


劇辛党:そうそう。このゲームは、「ダメージ何点」を直接HPから引いたりするゲームじゃなくて、「ダメージに応じた負傷ゲージを埋めていく」という感じの扱いをするんだけど。


下げ友:なるほど。レートで負傷する程度が決まるのか。


劇辛党:そうそう。ちなみに、〈特性能力〉を使う時にも「コスト:疲労1」とかあるから、その時にもゲージを埋めていく感じになるね。


腹黒演劇乙女:へー。


劇辛党:えーと。「疲労」ゲージは【意志】の半分。【身体】の二分の一が「軽傷」。【身体】の三分の一が「重傷」。四分の一が「致命傷」。「死亡」は1。


下げ友:ぐわぁー! 【身体】がそれほど大事だったとは! めちゃめちゃ死にそう!


腹黒演劇乙女:私もー。


時間をかける少女:私は「疲労」がめっちゃヤバイ! しかも、「致命傷」ゲージも3つしかない!


寝落ちリア充:僕は4つあるよ。


下げ友:それだけ【身体】が高ければあるだろうけど。俺は2つしかないけどな。


腹黒演劇乙女:私も2つだー。


劇辛党:うーん、前衛でそれはキツいかもねー……。


下げ友:いや、お前、そういう大事なことはきちんと教えてくれよ。


劇辛党:知らねーよ。俺だって、今、知ったんだよ!






 何と言うことか!


 GMゲーマスターとなるべき人物にルールブックを渡して、キャラを作り出したまでは良かったが……。

 GM自身にルールを理解する時間を与えないと、こんなしっぺ返しがくることになるとは……!


 もし、今後、そういう機会があるなら、せめて「どうすればHPが多くなるのか?」くらいは自分でチェックしておくべきだと、下げ友は心に深く刻み込んだ。のだった。




 つーか、よくわかんないけど、「致命傷」ゲージ2つしかないのはヤバイ気がする。それだけはハッキリわかった。

 そんな下げ友と腹黒演劇乙女であった。

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