ACT08 プリプレイ 『アタシのお父さんはねぇぇぇ!!』
劇辛党:じゃあ、次の人は?
腹黒演劇乙女:はいはい! やりまーす! えーと、[経歴]からだよね? ……(コロコロ)……。
劇辛党:ん。[オーダー]。「あなたはオーダーの権利を守るためにガーデンに所属している」。『取得技能』の方は「交渉+5%」。
腹黒演劇乙女:そうそう。それが大事。『取得技能』ね。
劇辛党:身もフタもねー!
腹黒演劇乙女:まあ、それでいいかなー。じゃあ、次、[出自]、行くよー。……(コロコロ)……。
劇辛党:[政治権力]! 「親が政治権力を持っている」。良かったですね。やりたい放題ですよ?
腹黒演劇乙女:ところで、それは、プラス何?
劇辛党:ああ、『取得技能』ですか。やっぱり、気になるのはそっちですよねー。……「威圧+5%」。政治権力のおかげですね。
腹黒演劇乙女:えー? 政治権力で「威圧」かぁ~……。
劇辛党:「アタシのお父さんはねぇぇぇ!!」
時間をかける少女:「私は、アベシ○ゾウの娘なんだよ!?」
寝落ちリア充:「(やたら甲高い声で)コノ私ヲ、一体、誰ダト思ッテイルノ!?」
下げ友:やかましい! 近所中におかしな集団だと思われるわ!
時間をかける少女:でもさー。そう言えば、「日本の首相は誰ですか?」って聞かれてさぁ。「アベカンゾウ!」って答えちゃった子がいたんだよね。
寝落ちリア充:カンゾウ!?
劇辛党:「ハットリくん」かよ!?
下げ友:まあ、どっちも臓器系の名前という点では共通点があると言えるが……。
時間をかける少女:あ、もちろん私のことじゃないよ?
―――この時、下げ友は思った。
「もしかすると、友達の体をして話してはいるものの、実際のところ、時間をかける少女自身の話なのではないか」―――と。
とは言え、わざわざそのような野暮な話をする下げ友ではない。敢えて突っ込まずにいてあげた。ジェントルマン下げ友の誕生である。
ところで、下げ友の知り合いで、「強い『イシ』を持って『イシ』になる」という漢字テストで、「強い『意志』を持って『石』になる」と記載した者がいた。
なぜ、そこまで無機物の石になりたかったのか、その心はわからないが、おそらくは、『石ですが、何か?』という転生モノについて構想を練っていたからかもしれない。
腹黒演劇乙女:ダメだー。振り直しするー。……(コロコロ)……。
劇辛党:[道場]。「あなたの親は古流の剣術、居合の道場主である」。
下げ友:いいなー。カッコイイなー。
腹黒演劇乙女:それって何がもらえるの?
寝落ちリア充:また、それ。
腹黒演劇乙女:だって、大事なことだからー。
劇辛党:えーとね「近接武器+5%」だね。
腹黒演劇乙女:じゃあ、それにしようかなー。
劇辛党:はい、じゃあ、[経験]。
腹黒演劇乙女:いっくよーーー! ハイィィィ! ……(コロコロ)……。
劇辛党:[マニア]。「あなたは何らかのマニアックな知識を持っている」。『取得技能』は「知識+30%」。何か特定の知識を選んで。それに関係ある知識判定をする時に30%のボーナスがもらえる。
腹黒演劇乙女:えーーー!? んーと。剣術道場だから、刀剣かなー? 日本刀とかに詳しいって役に立つのかな~?(チラチラ)
劇辛党:ハイ、「迷った場合は〈※知識:ミリタリー〉」と書いてある。
腹黒演劇乙女:「ミリタリー」って?
劇辛党:「軍事知識一般」のこと。
腹黒演劇乙女:じゃあ、それでー。軍事マニア。
劇辛党:剣術道場出身の軍事マニアかよ。まあいっか。次は[境遇]だね。どうぞ。
腹黒演劇乙女:はーい。……(コロコロ)……。
劇辛党:[大きな転機]。「両親が離婚した、思い出の場所にビルが建つなどの環境の変化があなたにとって大きな転機となった」。
腹黒演劇乙女:えぇぇぇーーー! 剣術道場にビルが建っちゃったの~!?
時間をかける少女:かなしー(涙)。
寝落ちリア充:悲しすぎるねー。
劇辛党:地上げされたとか。
下げ友:やっぱ、普通に都市開発じゃないの? 立ち退きだな。
腹黒演劇乙女:やだー、そんなのー! ……(コロコロ)……。
劇辛党:[約束]。「永遠に守るという約束を誓った」。
腹黒演劇乙女:何だよー、「永遠に誓った」ってー。
下げ友:永遠に誓うとか、マジで嫌すぎるわー。何も誓いたくないわー。
劇辛党:お前のことを聞いてるんじゃねーよ!
時間をかける少女:は! これだよ! 絶対に死なないという約束を誓った!
劇辛党:その約束って、一体、誰に誓ったの?
時間をかける少女:え? やっぱり「自分」じゃないの?
劇辛党:ズルいな、それ~。
腹黒演劇乙女:これもヤダ! もう1回! ……(コロコロ)……。
劇辛党:[大事故]。「あなたは大事故に巻き込まれて能力に目覚めた」。
時間をかける少女:交通事故だね!
寝落ちリア充:トラックに轢かれたんだ!
劇辛党:転生モノかよ!?
下げ友:いや、そこは雷に打たれたんでしょ? 普通に考えて。
腹黒演劇乙女:えぇぇーーー!? 雷に打たれて帯電しちゃったの~? そんなのカッコ悪すぎるよ~。
下げ友:えー? いや、そこはむしろカッコイイんじゃないのか?
劇辛党:やっぱり、交通事故のショックで、頭から電波が出るようになっちゃったんじゃないの?
腹黒演劇乙女:やだよー、そんなのー!
下げ友:いや、そこはフォークをコンセントに刺して「アヴァヴァヴァヴァぶぁーーー!」ってなったんじゃないの?
劇辛党:5歳の男の子かよ!?
時間をかける少女:いくら5歳でもさー、そんなことってしないでしょ!?
腹黒演劇乙女:もっとやだよー!
これは劇辛党(当時5歳)の取った行動では、決してない。
ここで、一応、劇辛党の名誉のために敢えて付け加えておく。
……でも、5歳なら仕方ないよね? だって5歳なんだもん。
腹黒演劇乙女:……じゃあ、アレだなー。自分で刀を打っていたら……。
下げ友:どこだよ、そこ。工房とかじゃねーのかよ? そもそも剣術道場で刀って打つのか?
腹黒演劇乙女:打つの! それで山のてっぺんとかで刀を打っていたら、そこに雷が落ちてきて打たれちゃったの。それで《電磁操作エレクトロニックダンス》に目覚めて。で、その時に打っていた刀っていうのが、今使っている刀なの。
劇辛党:おおーーー。そういう設定なのか。
寝落ちリア充:それならカッコイイかもしれないね。
腹黒演劇乙女:だよねー♪ じゃあ、それにしようっと。
劇辛党:じゃあ、腹黒演劇乙女のキャラはそういう感じでー……って、男2人は何やってんだよ!!
下げ友:えーーー!? 俺たちだってちゃんと考えてるけどさー。順番待ちなんじゃん。
寝落ちリア充:僕も早く決めたいんだけどー。順番がー。
劇辛党:いいから、ちゃっちゃとダイス振れや!
突然、男二人に向けられた劇辛党の敵意。
おそらく、シナリオの構想がまとまりつつあるのだろう。
お陰で、こちらとしては正直いい迷惑である。
つーか、女性陣が好き勝手に振り直しを敢行したことで、劇辛党のストレスが溜まったのではないかと、私こと下げ友は推測した。
しかし、ついに! 男2名のキャラの[ライフパス]が決定していくのである。
まさに女性ファンもイチコロ(死語)の状態―――すなわち「ずっと俺のターン状態」間違いなしである。
乞う、ご期待!
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