ACT21ー① ミドルフェイズ 光影介 『走るしかない! 光の様に!』
GM:では、PC②の“暁”こと光影介。
影介:はい。
GM:あなたは町の電気屋さんでしたね。
影介:そうでーす。
GM:では、あなたが朝起きるとメールが入っているね。
影介:見てみようっと。
GM:はい。メールを入れたのはあなたのお兄さんです。フリーの雑誌記者をやっている報道関係者ですね。名前を……「光黄一(ひかり・こういち)」と言います。
影介:え? 黄色の「黄」なんだ。
クルミ:統一性ないなー。どんな親なんだよー(笑)。
ふうか:ホントは長男が「こういち」だったから、次男は「こうに」にしたかったんじゃない?
クルミ:そんな名前の付け方あるの~? 「こういち」で「こうに」って。
銀造:せめて「こうじ」とかだろ? そこは。
クルミ:っていうか、せめて「影次(えいじ)」とかにして欲しかったよー。
影介:いや、しかし、もともと僕の名前の方が先だから。
ふうか:確かに。じゃあGMのせいじゃん(笑)。
影介:あ、でも「黄一郎(こういちろう)」にして欲しいかな。名前。
クルミ:確かに。その方が座りがいいね。
GM:いいですよ。じゃあ、「黄一郎」ということで。で、「起きたら電話くれ」って入ってますけど。
影介:じゃあ、電話しようかなー。「プルルルル……、プルルルル……」
GM:ああ、すぐに電話に出るよ。
GM/黄一郎:「おー! エーちゃんか!」
ふうか:「エーちゃん」(笑)。
クルミ:お兄さん、名前、渋かったのにー。
銀造:「エーちゃん」と「コーちゃん」の仲なのか。ところでいくつ離れた兄弟なんだ?
GM:えーと、影介は歳、いくつだっけ?
影介:26歳。
GM:では3つ歳上の29歳ということで。
銀造:独身。それとも妻帯者なの?
影介:ただ今、不倫中。
GM:ほお。不倫中ね。
銀造:何でそんないらない設定を付けるかなー。明らかにおかしなことが起こりえる設定になったよ、それ。
影介:(笑)。
GM:いいでしょう。では、あなたのお兄さん「光黄一郎」は、しがない雑誌記者のため、家庭を養えないとか何とか言いつつ、実はドロドロの不倫に手を染めているということで。
銀造:今、この瞬間、お前の兄貴の好感度、だだ下がりだよ? ハッキリ言って。
影介:アハハハハ!(意味不明)
銀造:「親しみやすい人」を通り超して「ただの軽い人」になっちゃったよ。
クルミ:ホントだよ。
ふうか:サイテーだよ。
銀造/黄一郎:「エーちゃんさぁ! 合コン設定してよ! 合コン!」
クルミ:まだ? まだ足りないの?
銀造:つーか、倫理的に問題があるので、不倫はやめて下さい。
GM:え? ダメなの?
銀造:ハーレムはいいけど、不倫はダメ。絶対。
クルミ:ハーレムは良いけど、不倫はダメとか意味わかんないけど。
銀造:イヤイヤ、そこは明らかに違うから!
GM:まあ、その違いは良くわからないけど。
影介:まあ、不倫中という設定はやめてもらおうかな。
GM:そうなんだ。でもさー。みんな大好きなんじゃないの? せっかくPC③の人が不倫設定を生やしたんだからさー。
銀造:つーか、ぶっちゃけ、『ガーデンオーダー』に出てくる人物のお兄さんが不倫しているとかしていないとか、どうでもいい話かと(笑)。
一同:(笑)。
銀造:でも、アレかー。冴えない弟。イケメンの兄。
GM:ところで、影介はお兄さんのことは何て呼んでるの?
影介:んー……「兄ちゃん」かな。
GM:おお、では「エーちゃん」「ニーちゃん」の仲なのか。
銀造:それで行くと、周りから兄貴の方は「兄一郎(にいいちろう)」とか思われてるんだなー。
クルミ:どんな名前なんだよー(笑)。
ふうか:ないわー。それはないわー。
GM:で、その黄一郎は、「今日、ちょっと時間、取れるかなー?」とか聞いてきます。
影介:えーと、何も予定入ってないよね?
GM:はい、ありません。
影介:「うん、大丈夫だよー。兄ちゃん」
GM/黄一郎:「助かった! この間と同じ話なんだけどさー。ウチの機材、ヤバイんだよ!」
影介:「そうなの?」
GM/黄一郎:「そうなんだよー。まあ、カメラくらいは買い直せばいいだろうけど、それ以外の撮影用の機材とか、みんな年季が入っちゃっててさー。エーちゃんにちょっと見てもらいたいんだよー」
影介:ん? そういうのって得意なの? 僕。
GM:得意でしょ? 町の修理屋さんなんだから。
影介:まあ、「得意」って言っても〈機械修理〉は50%だけどね。
GM:ハァ!? マジ!?
影介:うん、50%だよ。
銀造:つまり50%しか直せない的な。
クルミ:イヤだなー、その修理屋さん(笑)。
銀造/影介:「アレだな。これはメーカーに出した方がいいよねー」
GM:俺の中では、「スゴ腕の町の修理屋さん」だったのにー。
銀造:でも、特殊機械が得意なんだよね。確か。
影介:そう。〈特殊機械操作〉ね。
ふうか:「修理」じゃなくて「操作」じゃん!
影介:ちなみに50%。
クルミ:やっぱり半分半分だね。
GM:全然得意じゃないじゃん(笑)。
影介:まあ、二分の一で直るわけだから、問題ないじゃん。
ふうか:問題あるよ!
GM:何てこった! お兄さん、買いかぶってるよ!
影介:まあ、普段から兄ちゃんには尽くしてるからねー。
GM/黄一郎:「それが急な取材が入っちゃってさー。『カサイジョウジ』って知ってる?」
影介:「カサイジョウジ?」
GM:あなたは、その人物を知っているかどうか。【知力】判定で。
影介:【知力】は12だから、60%だね。いくぜ! ……(コロコロ)……失敗。
GM:えーと、じゃあ浮かびませんね。すると、黄一郎は「あれぇ? 世代じゃなかったかぁ?」と言いながら電話口で歌い始めます。
銀造/黄一郎:「メラメラメラに♪ さりげなく~♪ さりげなく~♪ 燃えるだけさ~♪」
GM:ああ、「カサイ(火災)」ですからね。では、そうやって黄一郎は電話口でしばらく歌った後、「あのカサイジョウジだよ。取材が取れたんだよ。でも、今、カサイジョウジって言ってもさ。いや、俺は嬉しいんだけど、若い人は知らないんだよねー」
影介:「そうかー」
GM/黄一郎:「今、若い人にとって、カサイジョウジと言えば、アレだよ、アレ。『KJK』……でもエーちゃんは『KJK』なんて知らないだろ?」
影介:「知ってるよ。K・J・K! K・J・K! だろ?」
GM/黄一郎:「おおー! 知っているのかエーちゃん。カサイジョウジは知らなくてKJKは知ってるんだ」
影介:「KJKのライブの写真を撮りに行ったことがあるんだよー」
銀造:ああ、ファンなんだっけ?
影介:仕事だよ。ってさっきやってたじゃん。あ、そう言えば、兄ちゃんは僕がガーデンの仕事をしているって知ってるのかな?
GM:知りません。オーダーというのは、どちらかと言えば、スパイのような立ち位置ですから。
クルミ:そうなんだー。
影介:それなら、仕事だったことは言わない方がいいね。
GM:まあ、下手をすれば家族に迷惑が掛かるかもしれないし。
GM/黄一郎:「それに、運が良ければ、もしかするとKJKに会えるかも知れないしね」
影介:「どういうこと?」
GM/黄一郎:「あ、エーちゃん、知らないの? カサイジョウジはKJKのプロデューサーやってるんだから?」
影介:「え!? そうなの!?」
GM/黄一郎:「だから、俺としてはカサイジョウジに会えて取材出来れば充分! なんだけど、多分、向こうはKJKの売り込みとかしたいはずだから……、結構、楽しい裏話が聞けるかもよ? ホラ、KJKって色々あったじゃん」
影介:「うん、そうだね」
GM/黄一郎:「だから、そのあたりも攻めてみたいけど……でも、でもそんなことしたらカサイジョウジに嫌われちゃうのも、俺、イヤだしなー」
ふうか:アハハハー。
GM:とまあ、そんな感じに「あー! どうしよー!」とか言って、黄一郎は悶えています。
一同:(笑)。
銀造:そう言えば、『KJK』って名前あるの?
GM:あるよ。
銀造:その名前は知らないの?
GM:うん。
銀造:えーと、名前を伏せてるの?
GM:伏せてる訳じゃないよ。君たちが知らないだけで。で、黄一郎の方は「撮影機器がかなりいい加減だし、撮影用テープとかも飛び飛びになったりするから、何とかしてくれないかなー」と。
銀造/影介:「まあ、2個あれば1個は直せるよー!」
影介:「直せない時もあるけどね♪」
クルミ:直せないのかよー(笑)
GM:って言うの?(笑)
影介:イヤイヤ。えーと……「多分、大丈夫だよ! ……でも程度にもよるかなー」
GM/黄一郎:「でもいざって時に急に壊れたりしたら困るんだよなー」
影介:「あ、じゃあさ、兄ちゃん。僕も取材に連れてってよ」
GM/黄一郎:「ってことは、エーちゃんが取材機器の面倒を見に来てくれるわけだ」
影介:「うん」
GM/黄一郎:「そりゃあいい! エーちゃんが来てくれるなら百人力だ!」
クルミ:仲、いいねー。
GM:じゃあ、影介は兄ちゃんと一緒にカサイジョウジのところに取材に行くわけだ。
影介:うん。
GM:それで、取材場所までどうやって行く? 車とかあるの? 移動手段になるもの。
影介:ないよー。【魅力】10だから。高いモノは持ってないから。走るしかない! 光の様に!
GM:おおー。カッコイイね!
銀造:いや、そもそも町の修理屋さんなのに、車もないとか問題あるんじゃ……。
影介:でも【魅力】10だから。そういう余計なモノは持ってないから。
GM:いやー、影介って町の修理屋としてはほとんど機能していないんじゃないかな? もともとの研究者時代の蓄えとガーデンの報酬だけで色々と賄っているとしか思えない。
クルミ:ホントだねー。
影介:いやー、まあ研究員時代にノーベル賞とかもらっちゃって……その時の貯金があるから。
銀造:何だよ、その安い設定は!?
GM:でも、ノーベル賞とかもらったんだったら、目立ち過ぎて困るんじゃないの?
影介:それじゃあ、「ノーベル賞候補になった」とかで。
クルミ:いやー、でも〈機械修理〉や〈特殊機械操作〉50%とかじゃ、あり得ないんじゃないの?(笑)
銀造:他に何が得意なの?
影介:えーと〈銃器〉が100%だよ。
銀造:ただのガンマニアじゃん。
影介:〈回避〉! どんどん躱(かわ)すよ!
クルミ:日常生活で〈回避〉が役立つってあまりないような……。
GM:ねえ、研究者とか言ってるけど、スペック的にはバリバリのファイターじゃん。ただの。
銀造:まあ、そんな人物がノーベル賞とか、おこがましすぎるわー。
影介:じゃあ、ノーベル賞関係はやめます。
ふうか:やめるのかよ!
影介:うん。その代わり、光の速度で走りながら取材場所へ行くよ。
GM:光の速度で駅へ行き。
銀造:光の速さで地下鉄に乗り込む。
クルミ:結局、地下鉄で移動するんだ。
影介:うん。走りっぱなしだと疲れるからね。うーん、これじゃ、ただのイタい人になっちゃうかな?
ふうか:ただの忙しい人なんじゃないの?
影介:それならいっか。
GM:ということで、影介は取材会場へ向かうと。
影介:うん。
こうして光の速さで走り出し、取材場所に向かって走り出した光影介。
《光波干渉(オプティカルインタフェア)》の能力を、日常にごく自然に取り込んでいる姿は、まさしく脱帽である。
しかし、ふと考えてみれば、「お兄ちゃんから取材同行のお誘いがあって、一緒に行くことになった」だけだった。
つまり、シーン自体、まだ始まっていないくらいの勢いだったのだ!
頑張れ影介! 走れ影介! 取材場所(スタートライン)まで!
でも途中から、地下鉄でGO!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます