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- ★★★ Excellent!!!読んでいて気持ちのいい「いただきます」に真摯な野生系食レポ
「いただきます」という食事前の挨拶がある。
これはどうも日本特有の文化らしい。僕は今、わけあって中国に住んでいるのだけれど、少なくとも中国には存在しない。命を大切にする日本人らしくて良い文化だと僕は思うし、実際に中国の方から「日本人のそういうところいいよね」と言われたこともある。最近は「ラーメン屋とか牛丼屋でいただきますとか言ってる奴はちょっとカッコ悪い」的な風潮もあるらしいけれど、全く納得できない。気恥ずかしくて出来ないというコミュ障的心理は理解するが、それを「カッコ悪い」という客観評価に置き換えて己の正当性を確保する浅ましさこそ「カッコ悪い」ぞと言いたい。
話が逸れたので本題に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本能に基づく行動
『食べる』ことは生きるために必要な行動の一つ。
安価に安全な食品が入手可能な現代では、手間を掛ける労力に見合わないとそれを『食料』と見なさないのに、この作者様は身近にある、またはたまたま入手した動植物を食べてみようと試みます。
面倒なアク抜きをして美味な山菜に舌鼓を打ち、少々グロい手順を踏んで動物を捌いてみたり。
しかし、ここで思い出して欲しいことがある。
真面目に何かをしている様子は好感が持てると同時に、笑いを誘うものであるということを。
頭からビニール袋を被った姿だったり、服を着たまま川に入ってずぶ濡れになったり。
本人(達)が必死になればなるほど、笑ってはいけないと思えば思うほど止ま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!狩って食う、採って食らう。美食ハンター、野生する食材に遭う
野生の生き物、植物などを採って食べた記録です。
ただの食レポではなく、その食材を食べることになった経緯やその食材にまつわる知人とのやりとりがふんだんに記されていて物語として楽しめます。
主人公(著者さん)がたくましく失敗もほとんどないので安心して読み進められます。また、やや話が脱線することもあるのですが、その脱線した部分が面白いので、むしろ脱線しはじめるとワクワクしたりします。
そこら辺の楽しさは、司馬遼太郎の街道をゆくと同じ感覚でしょうか。
ひとつの食材あたりの文字数は少なくテンポ良く進んでいくので、次はどんな食材と遭遇するのか、ちょっとイジワルな好奇心も刺激されつつ一気に読んでしまいまし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『生きとし生けるものは俺の血肉になるッ!!』※ 本作は食エッセイです
ナマズ、ノイチゴ、ハタケシメジ、アケビ、スッポン、アメリカザリガニ、レンギョ、ウサギ――――。
この秩序のない動植物の羅列はなんだろうか? これは本作の作者が半生をかけ、手に入れ、調理し食した『食材』の数々だ。
幼少の頃より生き物を飼育、観察することが好きな作者は『ひょっとしたら食えるかも』、と思ったらすぐに適切な調理をし、胃袋に収める。
その様子は文体からも垣間見える、熱い生物への探求心あってこそ。
スーパーに行けばすぐにパック詰めされた肉や魚、野菜や果物が手に入る現代社会にあって、この作者の行動は必要以上にアグレッシブだ。
最も勉学や恋愛、就職と悩み多き大学生時代に醸成された…続きを読む