『生きとし生けるものは俺の血肉になるッ!!』※ 本作は食エッセイです

 ナマズ、ノイチゴ、ハタケシメジ、アケビ、スッポン、アメリカザリガニ、レンギョ、ウサギ――――。
 この秩序のない動植物の羅列はなんだろうか? これは本作の作者が半生をかけ、手に入れ、調理し食した『食材』の数々だ。
 幼少の頃より生き物を飼育、観察することが好きな作者は『ひょっとしたら食えるかも』、と思ったらすぐに適切な調理をし、胃袋に収める。
 その様子は文体からも垣間見える、熱い生物への探求心あってこそ。
 スーパーに行けばすぐにパック詰めされた肉や魚、野菜や果物が手に入る現代社会にあって、この作者の行動は必要以上にアグレッシブだ。
 最も勉学や恋愛、就職と悩み多き大学生時代に醸成された、生物への畏敬と愛情。
 好奇心に読者はある時は笑い、ある時は胸を打たれるはず。

 このエッセイを読んだ心ある者たちよ、今すぐ野生食材を手に入れよう!
※ 食材を手に入れる際は、必ず法令や公序良俗を守ってください。
 少しでも怪しいと思ったものはいきなり口にせず、専門知識のある方に助言をいただいて適切な対応をしてください。
 素人が見よう見まねで狩猟や調理をすることは、大変危険です。

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